◇J2第29節 いわき5-1札幌(13日・大和ハウスプレミストドーム)

 いわき戦に関しては、サッカーを一生懸命やってきた仲間として、ジャッジについて色々と言う必要はないと思っている。ただ退場者が後半の早い段階で2人出てしまっては、試合は壊れてしまう。

レフェリーはもう少し冷静になってもらって、興行としても考えてほしかった。

 最初に退場になった前半の荒野のシーンは映像を繰り返し見たが、先にボールに行けているのだから、足を出してタッチラインに出せば十分だった。ただその前に朴が倒されながら笛が吹かれなかったことに対する、いら立ちの報復と取られてしまった。仲間を鼓舞したい気持ちは分かるが、一歩間違えたら大けがにつながるリスクのあるプレー。そうならなかったことが救いだ。

 後半のマリオに関しても相手を踏みつけたと判断されたが、実際にそう見えもする。そういう所を含め、いわきはしたたかにやってきた。感情をコントロールできた相手に対し、荒野が退場する前はリードしていながらも、感情をコントロールできなかった違いが結果に出てしまった。90分間どれだけいいプレーをしても、一つの行為で評価を下げてしまうのがプロの世界。ピッチに立つことに責任を持つという意識を、チームとして厳しく徹底していたら、ああいうことは起こらなかった。

 今、札幌はJ1復帰を目指して進んでいる。目標を達成するためには根比べに勝つことが必要。

優勝争いしているチームが2人の退場者を出すようなことはほぼないというのは、我慢ができるからだ。審判の判定にイライラしているような場合じゃない。感情のコントロールを柴田監督がやるのかクラブがやるのかにしても、方向性をしっかり決めないと同じことを繰り返してしまう。心のどこかに「連勝してたし、このまま行けば何とかなるだろう」という思いがあるようでは、何も成し遂げることなどできない。

(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)

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