J2磐田は16日、アウェー・藤枝戦(20日)に向け静岡・磐田市内で公開練習を行った。22年夏から23年夏まで在籍した古巣との一戦を迎えるFW渡辺りょうが、思い出の地で“恩返し”の白星をつかみにいくことを誓った。

 かつてエースとして君臨した地で躍動する。渡辺は22年夏にJ3沼津から当時J3の藤枝入り。J2に昇格した23年はシーズン前半で26戦13得点と数字を残し、C大阪へ籍を移した。改修工事後の藤枝サでプレーするのは初めてだ。

 「迫力ある素晴らしいスタジアムになった。そのピッチに立てるのは楽しみだし、ジュビロのユニホームで立つというのは感慨深いものがある。当時(磐田入りするとは)考えたこともなかったですから」。敵将の須藤大輔監督ら藤枝の関係者、サポーターに向け「自分のプレーを表現することが一番の恩返し。しっかり準備して迎えたい」と言葉に力を込めた。

 前節の今治戦(13日、1―0)は後半13分に相手バックパスをさらい、GKをかわして無人のゴールに決勝の今季5点目を流し込んだ。「駆け引きの中で相手がミスしてくれてラッキーでした」。90分フル出場は昨年8月11日の鹿島戦以来、約1年ぶりだった。

「(翌日は)ふくらはぎも背中も至る所がつっていた。バキバキでした」と苦笑いしたが、オフを挟んで状態は回復。「(前線から)追いかけて走って、流れを持ってくるのが自分の役割」と藤枝戦も持ち味の献身的プレーで勝機を呼び込む。

 チームは4戦負けなしで、直近3試合は全て無失点。プレーオフ圏の5位に浮上した。「この先は勝ち点3を取ることだけだと思う」。勝ち点6差の首位・水戸、2位・長崎の背中を捉えるためにも古巣戦は落とせない。

 〇…藤枝戦は午後2時キックオフ。夏場のナイターに体が慣れている選手にとっては、過酷な暑さも敵になる。この日は練習時間を夕方から午前に変更した。「その中でも走りきってタフに戦わないといけない」と渡辺。ジョン・ハッチンソン監督は「選手交代やプレーの質にも影響する。

攻守に試合をコントロールしていきたい」と消耗を避けるためにも、いつも以上にボール保持にこだわる姿勢を打ち出した。

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