J1で2位の鹿島は16日、茨城・鹿嶋市内で第30節浦和戦(埼玉)に向けたトレーニングを行った。

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 練習終盤、ピッチに「上げろ!」という声が響いた。

声の主は鬼木達監督。トレーニングメニューの説明を聞く選手たちに対して、自ら“実演”して「声」を求めた。

 11対11の形で戦術を確認するメニューにおいて、ボールが中盤に渡ると、GK、DF陣から一斉に「上げろ!」と声が響いた。前節・湘南戦(3〇0)の前半、前線からのプレスにDFラインの押し上げが追いつかなかった反省を生かしながら。そして連動したプレスが生んだ先制点の成功体験を思い出しながら。最前線からのハイプレスを“後方支援”する形を確認した。

 「チームとして、守備で前からボールを奪いにいきたい思いは統一されているので。1人ひとりがつながってプレーをすることで、湘南戦の1点目みたいな形が生まれる。そこは継続、向上していきたいところ」(MF樋口雄太)

 浦和の本拠地・埼玉スタジアムで行われる一戦は、ほとんどの座種が完売となっており、5万人を超える大観衆が予想される。

 鹿島にとっては大アウェーの環境下での一戦となり、ピッチ内のコミュニケーションも難しい状況となることが想定される。声が封じられたとしても意思を統一をするべく、トレーニングの中で「声」を徹底し、体に感覚を染みこませようとするイレブンの姿がみられた。

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