Jリーグは1日、海外指導者招へいプロジェクトを立ち上げ、グローバルフットボールアドバイザーとしてドイツ人指導者のロジャー・シュミット氏と契約することに合意したと発表した。招へい期間は2025年10月~2026年6月の9か月間となっている。

 このプロジェクトは、欧州の強豪クラブで長年にわたり監督経験を積んだシュミット氏が、アカデミー世代の現場指導や指導者(監督、コーチ)・スポーティングダイレクター(以下SD)向けのセミナー、JリーグやJクラブへの知見の共有などを通じ、世界トップのフットボール水準の考え方や指導方法等を浸透させることを目的としている。

 シュミット氏は2004年、37歳でドイツ5部のクラブで選手兼監督に。翌シーズンからは監督業に専念し、11―12シーズンには当時ドイツ2部のパーダーボルンを指揮。12年にレッドブルグループの統括スポーティングダイレクターで戦術家として知られたラルフ・ラングニック氏に招かれザルツブルクへ。就任2年目にはオーストリア国内2冠を達成。14年にはレバークーゼンの監督に就任。その後、北京国安での挑戦、PSVでの指揮を経て、22年夏から監督を務めたベンフィカではリーグ優勝。欧州CLでもクラブをベスト8へと導いた。25年6月には、FIFAより戦術的・実践的トレーニングの方法論がシリーズ化され全世界に公開された。

 Jリーグ・野々村芳和チェアマン「この10月より、Jリーグの海外指導者招へいプロジェクトがスタートします。Jリーグがアジアで勝ち、さらには世界トップを目指すためには、選手だけでなく指導者やスポーティングダイレクターの水準向上も極めて重要なテーマととらえています。ヨーロッパ強豪クラブの監督を歴任し、実績・経験ともにトップレベルの監督であるシュミット氏がJリーグの成長戦略に共感してくれたことは、Jリーグにとって大きなチャンスであると考えています。

本プロジェクトを通じ、指導者の側のグローバル視点をより向上させることにより、Jリーグ、Jクラブが世界に近づくさらなる一歩となることを期待しています」

 ロジャー・シュミット氏「この度、Jリーググローバルフットボールアドバイザーに就任したことを大変光栄に思います。今年7月に野々村チェアマンとデュッセルドルフで実際にお会いし、Jリーグが目指す姿やこの先の成長戦略に共感する部分が多かったことから、この野心的なプロジェクトに参加することを決めました。Jリーグの将来を担う各Jクラブのスポーティングダイレクターや指導者とのセッション・交流や、未来あるユース世代の指導などを通じてJリーグ、そして日本サッカーの強化・発展にこの期間中全力で貢献したいと思っています。“世界で戦うJリーグ”の実現に私が持つアイデアや経験、フットボール哲学を活(い)かせることを楽しみにしています」

 ◆プロジェクト概要

 〈1〉Jリーグアカデミー選抜チーム指導とメソッドの共有 Jリーグ選抜チームの今後の活動における指導をシュミット氏が行い、そのフットボール哲学とトレーニングメソッドを国内の指導者やJクラブ等に展開する

 〈2〉指導者・SD向けスペシャルプログラム Jクラブ等の指導者向けに世界基準のフットボールを浸透させるためのセッションプログラムを実施する

 〈3〉リーグやJクラブへの試合視察を通じたフィードバック 明治安田Jリーグおよび各大会の視察を通じシュミット氏の知見をリーグ・クラブへフィードバックする

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