日本サッカー協会の審判委員会は1日、都内でメディア向けのレフェリーブリーフィングを開催した。扇谷健司委員長、佐藤隆治審判マネジャーが出席し、実際にJリーグで起きた事象7例を紹介した。
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J1第29節鹿島―湘南(メルスタ)において、CKの際に鹿島の選手がゴール裏を回ってボールを受けた事象について、審判委は「競技規則で認められていない行為」とし、反則を見逃していたとの見解を示した。
この場面でゴールが決まっていた場合は、VARの介入によって取り消しとなっていた事象だという。この一連のプレー後に鹿島はCKを再獲得し、ゴールが生まれたが、1度プレーが切れているため、VAR介入の対象には当たらなかった。
湘南ベンチは失点後に抗議の姿勢を示し、スタッフ1人が警告を受けた。その後のプレーで鹿島の選手の動きを模倣しようとし、ゴール裏でボールを待とうとした湘南の選手は主審の注意を受けた。
佐藤氏は「バランスを取るためにこれを許すことはない」と湘南側にのみ注意を行った理由を説明した上で、主審だけでなく、4人の審判員全員が鹿島の選手の動きに気づけなかったことを問題視した。