10月に入り、各校の4年生ランナーの進路が決まりつつある。今年の箱根駅伝で関東学生連合の一員として8区7位相当と健闘した東大の秋吉拓真は、東大大学院に進学しながらM&Aベストパートナーズ(MABP)で競技を追求する方針を固めたことが2日、分かった。
東大の箱根ランナー秋吉は、進路先として新興チームのMABPに絞った。
兵庫・六甲学院高から滑り止めなしで東大を受験して現役合格。1500メートル(3分48秒20)、5000メートル(13分50秒09)、1万メートル(28分45秒62)、ハーフマラソン(1時間1分38秒)の4種目で東大記録を持つ。ハイレベルの文武両道ランナーは複数の実業団から勧誘され、熟慮の結果、青学大時代に「3代目・山の神」と呼ばれた神野大地(32)が選手兼監督を務めるMABPに進む意思を固めた。
現在、東大工学部機械情報工学科4年。東大大学院情報理工学系研究科・知能機械情報学専攻の院試験に合格した。以前から「レベルの高い実業団で競技を続けたい。将来、競技をやりきった後は今まで勉強したことを生かしてモノ作りに携わりたいと思っています」と話していた。競技と学問の両立を目指す秋吉の意思を最大限に尊重したチームがMABPだった。
企業の合併・買収を仲介するMABPの陸上部は、今春から本格始動。「型破り」などの意味を持つ「MABPマーヴェリック」の愛称を持つ。「型破り」な挑戦を続ける秋吉にとって最適のチームだ。
今年の箱根8区で7位相当と好走。関東学生連合の出場上限が1回から2回に変更されたため、来年の箱根も出場のチャンスがある。秋吉は「箱根への道」も「箱根からの道」も、競技と学問の二刀流で臨む。
◆秋吉 拓真(あきよし・たくま)2003年5月23日、兵庫・西宮市生まれ。22歳。六甲学院高1年から陸上を始め、3年時に県大会5000メートル9位。東大理科一類に現役合格し現在、工学部4年。来春、東大大学院情報理工学系研究科に進学。173センチ、55キロ。