10月に入り、各校の4年生ランナーの進路が決まりつつある。マラソン日本学生記録保持者(2時間6分5秒)の青学大エース・黒田朝日はGMOインターネットグループ(以下GMO)への所属が発表済み。

今年度では、昨季の大学駅伝2冠の国学院大から最多の7人が実業団に進む。(竹内 達朗)

 1月の箱根駅伝で青学大を連覇に導き、2月の大阪マラソンで日本学生新記録をマークした黒田朝は、今季の4年生で最も早く7月に進路が発表された。青学大の先輩が多く在籍し、原晋監督(58)がEKIDENダイレクターを務めるGMOに進む。「ニューイヤー駅伝優勝に貢献」「マラソンで世界の舞台に立てるように精進します」などとコメントした。

 2年連続で箱根8区区間賞の塩出翔太は青学大の駅伝チームから初めて旭化成に進む意思を固めた。6区候補の佐藤有一は実業団陸上界で存在感が増しているサンベルクスに進む予定だ。

 昨季、出雲駅伝と全日本大学駅伝の2冠に輝いた国学院大はマラソン日本学生歴代9位(2時間8分50秒)の高山豪起が中国電力、嘉数純平と鎌田匠馬はコニカミノルタを志望。上原琉翔、青木瑠郁、田中登馬、渡辺峻平も実業団入りが内定。1チームから7人の実業団入りは今年度で最多。19年に出雲での学生3大駅伝初優勝以降、平均順位は4・06位。常に駅伝で上位で戦っている国学院大は強い「個」も生み出している。

 今年の箱根9位で継続中としては最長の20年連続でシード権(10位以内)を獲得した東洋大は網本佳悟主将と西村真周がクラフティアに進む予定。

10月1日に九電工から社名変更したチームで新たな歴史を刻む。1万メートルでチーム最速(28分27秒50)の緒方澪那斗はロジスティードを志望している。

 MABPには東大の秋吉に加え、東海大の鈴木天智も加入予定だ。

 箱根駅伝は1920年に「世界で通用する選手を育成する」という理念を掲げて創設された。競技を続行するランナーは、理念を体現するため、箱根路より長く険しい道を走り続ける。

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