サッカーJ1横浜FMの中山昭宏社長が4日、前日3日に日産自動車が横浜マリノス(横浜市)の株式売却検討に関し「筆頭株主であり続けます」との声明を発表したことを受けて、柏戦の試合前に報道陣の取材に応じた。約75%のマリノス株式を持ち、運営権の売却を検討しているとの9月29日付のスポーツ報知の報道後初めての日産自動車の声明文に、日産出身の中山社長は「日産の親会社としての強い思いを感じております。
続けて「日産自動車が我々のことを『象徴』という風に言ってくれていますので。我々、クラブの原点はご存知のとおり日産自動車の株にありますから、そこから10年以上の歴史で培われてきた我々の価値、ブランド、アイデンティティ。こちらを守り抜くという基本的な姿勢は変えずに、引き続き日産自動車にその旨をきちんと伝えていくという点も考えています」ともコメント。横浜FMの運営権については、家電量販店大手のノジマやIT大手など複数社に売却を打診したことが明らかになったが、販売店へのクレームや地元住民、サポーターから反対の声が上がっていた。売却額は十数億円規模とみられ、日産の事業規模から見ると財務面の効果は限定的との見方もあり、声明でひとまず幕引きとした。
3日の日産自動車の声明文には「横浜F・マリノスは日産の伝統と価値観、地元を大切にする姿勢の象徴であり、私たちは今後もチームの目標達成や将来の発展を支援し続けます」などとともに、クラブの「成長を支え、財務的な持続可能性を高めるため、長期的な戦略の一環として、株主構成の強化について積極的に検討しています」とも記されており、保有する一部株式の売却は示唆している。