巨人・阿部慎之助監督(46)が5日、長野久義外野手(40)を11日から始まるCS第1ステージ(S)のDeNA戦(横浜)で招集させる方針を示した。東京Dでの全体練習後に「戦力として置こうかなというのも考えている。

代打のね」と切り札としてのメンバー入りを示唆した。また、岡本和真内野手(29)はフリー打撃で右翼方向へ推定130メートルの特大弾を含む15本のサク越え。横浜で好相性の主砲が完全アウェーの敵地の外野席に豪快な一発を放り込む。

 頼れるベテランが、戦列に戻ってくる。下克上を期すCS第1Sを6日後に控えた、東京Dでの全体練習後。阿部監督はチーム最年長の長野のCSメンバー入りプランを明かした。「昨日(ファーム日本選手権に)チョーさんも出てたから、戦力として置こうかなというのも考えている。代打のね」。7月下旬の出場選手登録抹消後は2軍で調整してきたが、指揮官は勝ち進まなければ明日はない大舞台で代打の切り札としてベンチに置く構想で、6日にも1軍に合流する見込みだ。

 前日4日のファーム日本選手権・中日戦(サンマリン宮崎)では、9回の守備から途中出場。直後の攻撃では先頭で左前打を放ち、得点につなげていた。「(呼んでも)いいかなってぐらい元気そうだったから。

打ってたしね」と阿部監督。イースタン・リーグ最終盤だった9月27日・ロッテ戦(Gタウン)でも代打で適時二塁打を放つなど、まだまだハツラツとした姿を示している。

 チームで日本一を経験している野手は長野と坂本のサカチョーコンビのみ。13年ぶりの日本一を目指す中で、短期決戦の戦い方も熟知しているプロ16年目の男がいれば戦力としても頼もしい上に、その存在は若手にとってはよき兄貴分、助っ人にとってはよき相談相手にもなるなど、ベンチのムードを盛り上げてチームに好影響をもたらす。坂本も夏場以降は主に代打で何度もチームを救っており、背番号7が加わることで勝負どころで投入する選手の選択肢が増えるメリットもある。

 また、レギュラーシーズン終盤は1軍で出場し、6日からは「みやざきフェニックス・リーグ」にも参加するドラ1・石塚、ドラ2・浦田もCSでは「(1軍に)置いておくつもり」と指揮官は明かした。若手もベテランも融合しながら挑むDeNAとの戦い。まずは昨年下克上を許した相手を横浜で撃破し、リーグ王者の阪神との最終Sの舞台・甲子園行きの切符をつかむ。(田中 哲)

 ◆長野の近年の代打名場面

【復帰満塁打】

 ▽23年4月2日・中日戦(東京D) 1―1の7回1死満塁で登場。広島から5年ぶりの復帰後初打席で勝野から左前へ一時勝ち越しの適時打。巨人では1636日ぶりの安打、1641日ぶりの打点だった。

【1665日弾】

 ▽23年4月26日・阪神戦(甲子園) 5―4の8回1死一、三塁で登場。

岩貞から左中間席へ3ランを放ち、巨人では1665日ぶりの本塁打だった。

【メモリアル】

 ▽24年6月25日・DeNA戦(新潟) 2―1の9回1死二塁で登場。坂本から中前打をマークし、通算1500安打を達成した。

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