◆国民スポーツ大会・サッカー競技▽少年男子準々決勝 静岡0―0(PK5―3)岡山(5日、滋賀ビッグレイク)
少年男子の準々決勝が行われ、静岡県選抜が岡山をPK戦で下し、優勝した2019年以来6年ぶりに4強入りした。シュート数12対4と圧倒しながら前後半70分間は0―0で終了。
山田がほえた。0―0で迎えたPK戦。相手の2人目のキックを右に跳んで止めた。岡山が2回戦で大阪を破ったPK戦をスタッフがチェックしており、「データは頭に入っていた。バッチリでした」。183センチ、78キロの背番号12は右手を大きく振り上げて、ガッツポーズを繰り返した。
ポジションは控えGK。4日の初戦は1人だけ出番がなかったが、下を向くことなくチームのために仕事をこなしてきた。日常のゴミ拾いも欠かさず、徳を積んでおり「神様は見ていると思いました」。この日もベンチスタートだったが、静岡市から駆けつけた家族の前で勝利に大きく貢献だ。
実はPK戦は得意ではなかった。だが先月末の合宿でのPK練習で何本か止めて「当たっていました」。岡本淳一監督(47、浜松開誠館中)も「GKコーチに『自信を持って送り出せます』と言われていました」と後半終了間際に交代を指示。作戦が当たった。
山田の活躍に応えるように、県選抜は全員がPKを成功。5人目を務めたMF河波飛和(とわ、清水ユース1年)は「練習してきたので冷静に蹴ることができました」。ゴールネットが揺れた瞬間、全員が笑顔で走り出し、山田を中心に歓喜の輪をつくった。
4日の初戦はセットプレーで2得点。だが退場者が出て相手が10人になった後半はゴールが奪えなかった。この日も圧倒的に攻めながら、相手GKの好セーブもあって無得点。「まだまだ課題が多い」と河波は気を引き締めた。油断せず、挑戦者として次の愛媛戦に向かう。