箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟(関東学連)は6日、第102回箱根駅伝予選会(10月18日、東京・立川市など)に出場するチームと登録選手を発表した。前回(43校)から1減の42校が10枠の第102回箱根駅伝本戦(来年1月2、3日)の出場権を争う。

 各校は10~14人を選手登録。その中から10~12人がハーフマラソン(21・0975キロ)を一斉スタートし、上位10人の合計タイムで上位10校が本戦の出場権を獲得する。前回の本戦で優勝した青学大を始め、上位10校はシード校。

 前回の予選会で10位通過した順大と1秒差の11位で本戦出場を逃した東農大はエースの前田和摩(3年)が2年ぶりに登録された。1万メートルで日本歴代6位、日本人学生歴代最高の27分21秒52の自己ベスト記録を持ち、学生トップレベルの前田は1年時の前々回の予選会では日本人トップの全体9位となり、東農大の10年ぶり復活出場の立役者となったが、前回は体調不良のため、メンバー外となった。今年5月の全日本大学駅伝関東選考会1万メートルで約1年ぶりにレース復帰。小指(こざす)徹監督が「約6割の調子」と明かす中で、28分30秒25とまずまずのタイムで走破した。ケニア人留学生と同等の力を持つ前田の走りが東農大の鍵を握る。

 前回の予選会14位で、まさかの敗退を喫した東海大は、エースの花岡寿哉(4年)をはじめ、兵藤ジュダ(4年)、鈴木天智(4年)ら主力が順当に登録された。前回、ゴール手前約15メートルで熱中症のため途中棄権したロホマン・シュモン(4年)もメンバー入りした。昨年の悔しさを晴らすため、1年間、地道に努力を続けてきたロホマンの魂の走りが注目される。

 前回の予選会12位で落選した古豪の明大は、前々回の予選会チーム2位、本戦8区3位と好走した主力の綾一輝(3年)が登録メンバーから外れた。

1年生は4人が登録。今季から指揮を執る大志田秀次監督の手腕が注目される。

 前回の本戦19位で2年ぶりに予選会に回った大東大はケニア人留学生のキプロップ・エヴァンス(2年)がメンバー外。真名子圭(まなこ・きよし)監督は「日本人選手の方が強いからです」と自信を漂わせて説明した。

 前回の予選会13位で敗退の国士舘大もケニア人留学生のライモイ・エヴァンス(1年)を登録メンバーから外した。

 今回の予選会と本戦の見所のひとつは、予選会で敗退したチームで編成される関東学生連合の編成方法(登録16人)が変更となったことだ。大きな変更点は以下の二つ。

 〈1〉前回の第101回大会まで、予選会落選校の選手のうち、各校1人の前提で予選会のハーフマラソン個人順位の上位16人が選抜されていたが、第102回大会から「チーム枠10人」と「その他個人枠6人」で編成する。「チーム枠」は予選会の落選校の上位10校(予選会総合11位~20位)に1枠ずつ与え、12月10日の本大会登録選手の選考は各校に委ねられる。「その他個人枠」は予選会総合21位以下の所属選手のうち各校1名の前提で予選会個人順位の上位6人が選ばれる。

 〈2〉出走の上限回数は1回から2回に変更される。単独チーム、または連合チームで本大会出走が1回までの選手は連合チームの選出対象となる。

 なお、外国人留学生選手は、連合チームの選出対象にならないこと、正式な順位がつかないオープン参加となることに変更はない。

 関東学生連合の編成方法の変更によって、前回の本戦で8区に出場し、区間7位相当と健闘した東大の秋吉拓真(4年)は、もう一度、箱根路をかけるチャンスを得た。来春、東大大学院に進学して学問の追究と並行して、新興実業団チームのM&Aベストパートナーズで競技を続行する文武両道ランナーの挑戦が注目される。

 今回、暑熱対策のため、スタート時間が前回までの午前9時35分から午前8時30分に変更される。少しは暑さが回避されることが見込まれるが、10枚の箱根行き切符を巡る戦いが“熱い”ことには変わりはない。予選会まであと12日。いよいよ決戦が迫ってきた。

 ◇第102回箱根駅伝予選会開催要項

 ▽日時、コース 10月18日午前8時30分、東京・立川市陸上自衛隊立川駐屯地をスタート。立川市街地を回り、国営昭和記念公園にゴールする公認コースのハーフマラソン(21・0975キロ)。世界陸連の世界ランク対象競技会でもある。

 ▽競技方法 全選手が一斉スタート。各校、10~14人の登録選手の中から10~12人が出場し、上位10人の合計タイムで争う。

留学生は登録2人以内、出場1人以内。上位10校が本戦の出場権を獲得する。

 ▽出場資格 関東学生陸上競技連盟男子登録者で24年1月1日~25年10月5日の有効期間内に1万メートル34分以内、ハーフマラソン1時間13分以内の公認記録を有する。

 ▽関東学生連合 予選会で敗退したチームの選手で編成し、本戦にオープン参加する。

 ◇主なチームの登録選手

◆順大(前回本戦11位)

石岡 大侑(4年)

大倉 靖萌(4年)

石井 啓太(3年)

小林 侑世(3年)

林  龍正(3年)

古川 達也(3年)

吉岡 大翔(3年)

川原 琉人(2年)

玉目  陸(2年)

永原 颯磨(2年)

野崎健太朗(2年)

三宅 勇希(2年)

山本  悠(2年)

井上 朋哉(1年)

◆日体大(前回本戦12位)

浦上 和樹(4年)

大竹 雄大(4年)

倉村  空(4年)

田島 駿介(4年)

平島 龍斗(4年)

二村昇太朗(4年)

山崎  丞(4年)

天瀬 海斗(3年)

吉田 黎大(3年)

荻野 桂輔(2年)

佐藤 大和(2年)

樋村 銀河(2年)

水津 勇人(1年)

夏見 虹郎(1年)

◆立大(前回本戦13位)

小倉 史也(4年)

国安 広人(4年)

永井  駿(4年)

馬場 賢人(4年)

吉屋 佑晟(4年)

木代 博也(3年)

木島  陸(3年)

野口 颯汰(3年)

原田 颯大(3年)

鈴木 愛音(2年)

田丸 颯馬(2年)

本宮 慶尚(2年)

山下 翔吾(2年)

浮辺 直人(1年)

◆中央学院大(前回本戦14位)

黒谷  優(4年)

小松裕大朗(4年)

近田 陽路(4年)

坂本  駿(4年)

三角 洸太(4年)

市川 大世(3年)

林  愛斗(3年)

長部虎太郎(2年)

徳善  龍(2年)

保坂 航平(2年)

三代田宏太朗(2年)

山中 航太(2年)

小川 優晴(1年)

佐藤 祐介(1年)

◆法大(前回本戦15位)

大島 史也(4年)

沢中 響生(4年)

花岡 慶次(4年)

矢原 倖瑛(4年)

重山 弘徳(3年)

田井中悠成(3年)

野田 晶斗(3年)

平井 蒼大(3年)

湯田陽平兵(3年)

加庭 翔太(2年)

平山 櫂吏(2年)

山際晃太朗(2年)

太田  煌(1年)

佐上 湘哉(1年)

◆神奈川大(前回本戦16位)

酒井 健成(4年)

塩田 大空(4年)

志食 隆希(4年)

宮本 陽叶(4年)

大岩  蓮(3年)

滝本 朗史(3年)

花井  創(3年)

平川 瑠星(3年)

三原 涼雅(3年)

森  稜真(3年)

山本 琉楓(3年)

上田 航大(2年)

遠藤 優裕(2年)

近藤 大智(2年)

◆専大(前回本戦17位)

新井 友裕(4年)

藁科 健斗(4年)

上山 詩樹(3年)

具志堅一斗(3年)

佐藤  陸(3年)

丹 柊太郎(3年)

中島 優太(3年)

日比野 陸(3年)

平松 龍青(3年)

和田 晴之(3年)

田口 萩太(2年)

中西慶士郎(2年)

西岳 政宗(2年)

マイナ・ダンカン(2年)

◆山梨学院大(前回本戦18位)

ジェームス・ムトゥク(4年)

塚本 陸斗(4年)

平八重充希(4年)

占部 大和(3年)

田原 匠真(3年)

南葉 聖琥(3年)

平井  翼(3年)

ブライアン・キピエゴ(3年)

宮地 大哉(3年)

和田 瑛登(3年)

阿部 紘也(2年)

大杉亮太朗(2年)

高橋 楓河(2年)

松岡 一星(2年)

◆大東大(前回本戦19位)

入浜 輝大(4年)

庄司 瑞輝(3年)

西村 悠誠(3年)

藤原 幹大(3年)

宮倉 騎士(3年)

棟方 一楽(3年)

和田 麻里(3年)

大浜 逞真(2年)

中沢 真大(2年)

平田  碧(2年)

松浦 輝仁(2年)

上田 翔大(1年)

鈴木  要(1年)

増子  岳(1年)

◆日大(前回本戦20位)

大仲 竜平(4年)

小路 翔琉(4年)

鈴木 孔士(4年)

冨田 悠晟(4年)

中澤 星音(4年)

天野 啓太(3年)

片桐 禅太(3年)

シャドラック・キップケメイ(3年)

高田 眞朋(3年)

山口 彰太(3年)

山口 聡太(3年)

長澤 辰朗(2年)

橋本 櫂知(2年)

奥村 櫂陸(1年)

◆東農大(前回予選会11位)

小島 岳斗(4年)

菅原 昇真(4年)

原田 洋輔(4年)

深堀  優(4年)

磯  光清(3年)

植月 俊太(3年)

栗本 航希(3年)

前田 和摩(3年)

松江 耕輔(3年)

川上  温(2年)

菅野 優空(2年)

菅原 匠人(2年)

井坂  光(1年)

内田 温規(1年)

◆明大(前回予選会12位)

吉川  響(4年)

古井 康介(4年)

堀  颯介(4年)

室田 安寿(4年)

森下 翔太(4年)

山本  樹(4年)

石堂 壮真(3年)

大湊 柊翔(3年)

井上 史琉(2年)

土田 隼司(2年)

岩佐 太陽(1年)

小川 心徠(1年)

桶田 悠生(1年)

河田 珠夏(1年)

◆国士舘大(前回予選会13位)

九嶋 恵帆(4年)

水野 龍吾(4年)

横田 星那(4年)

江上 天晴(3年)

榎本 蒼空(3年)

田辺 真咲(3年)

山中寿世夢(3年)

今堀 匡道(2年)

岡元 快生(2年)

郡司 珀翔(2年)

坂上  悠(2年)

高須  蓮(2年)

高野耕太郎(2年)

中村 貫太(2年)

◆東海大(前回予選会14位)

鈴木 天智(4年)

竹割  真(4年)

中井 陸人(4年)

花岡 寿哉(4年)

兵藤ジュダ(4年)

ロホマン・シュモン(4年)

可児 悠貴(3年)

永本  脩(3年)

南坂 柚汰(3年)

佐野 鈴太(2年)

中野 純平(2年)

平井 璃空(2年)

水野 夢大(2年)

松山 優太(1年)

◆流経大(前回予選会15位)

芦田優太郎(4年)

伊藤 聡平(4年)

安達 悠雅(3年)

木村 楓斗(3年)

高橋  遼(3年)

西川 結人(3年)

ボニフェス・ムテチ(3年)

芳口 慧人(3年)

荒井 一翔(2年)

名和 純希(2年)

野本 優斗(2年)

吉原 生真(2年)

石渡  翔(1年)

武市 颯太(1年)

◆駿河台大(前回予選会16位)

安部 広大(4年)

岡﨑  樹(4年)

沖 勘太郎(4年)

長田 拓巳(4年)

黒川 拓海(4年)

坂本 滉斗(4年)

東泉 大河(4年)

藤井 空大(4年)

大橋 正昊(3年)

久保 俊翔(3年)

スティーブン・レマイヤン(3年)

古橋 希翁(3年)

小島 光稀(2年)

佐藤我駆人(2年)

 箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟(関東学連)は6日、第102回箱根駅伝予選会(10月18日、東京・立川市など)に出場するチームと登録選手を発表した。前回(43校)から1減の42校が10枠の第102回箱根駅伝本戦(来年1月2、3日)の出場権を争う。

 各校は10~14人を選手登録。その中から10~12人がハーフマラソン(21・0975キロ)を一斉スタートし、上位10人の合計タイムで上位10校が本戦の出場権を獲得する。前回の本戦で優勝した青学大を始め、上位10校はシード校。

 前回の予選会で10位通過した順大と1秒差の11位で本戦出場を逃した東農大はエースの前田和摩(3年)が2年ぶりに登録された。1万メートルで日本歴代6位、日本人学生歴代最高の27分21秒52の自己ベスト記録を持ち、学生トップレベルの前田は1年時の前々回の予選会では日本人トップの全体9位となり、東農大の10年ぶり復活出場の立役者となったが、前回は体調不良のため、メンバー外となった。今年5月の全日本大学駅伝関東選考会1万メートルで約1年ぶりにレース復帰。

小指(こざす)徹監督が「約6割の調子」と明かす中で、28分30秒25とまずまずのタイムで走破した。ケニア人留学生と同等の力を持つ前田の走りが東農大の鍵を握る。

 前回の予選会14位で、まさかの敗退を喫した東海大は、エースの花岡寿哉(4年)をはじめ、兵藤ジュダ(4年)、鈴木天智(4年)ら主力が順当に登録された。前回、ゴール手前約15メートルで熱中症のため途中棄権したロホマン・シュモン(4年)もメンバー入りした。昨年の悔しさを晴らすため、1年間、地道に努力を続けてきたロホマンの魂の走りが注目される。

 前回の予選会12位で落選した古豪の明大は、前々回の予選会チーム2位、本戦8区3位と好走した主力の綾一輝(3年)が登録メンバーから外れた。1年生は4人が登録。今季から指揮を執る大志田秀次監督の手腕が注目される。

 前回の本戦19位で2年ぶりに予選会に回った大東大はケニア人留学生のキプロップ・エヴァンス(2年)がメンバー外。真名子圭(まなこ・きよし)監督は「日本人選手の方が強いからです」と自信を漂わせて説明した。

 前回の予選会13位で敗退の国士舘大もケニア人留学生のライモイ・エヴァンス(1年)を登録メンバーから外した。

 今回の予選会と本戦の見所のひとつは、予選会で敗退したチームで編成される関東学生連合の編成方法(登録16人)が変更となったことだ。

大きな変更点は以下の二つ。

 〈1〉前回の第101回大会まで、予選会落選校の選手のうち、各校1人の前提で予選会のハーフマラソン個人順位の上位16人が選抜されていたが、第102回大会から「チーム枠10人」と「その他個人枠6人」で編成する。「チーム枠」は予選会の落選校の上位10校(予選会総合11位~20位)に1枠ずつ与え、12月10日の本大会登録選手の選考は各校に委ねられる。「その他個人枠」は予選会総合21位以下の所属選手のうち各校1名の前提で予選会個人順位の上位6人が選ばれる。

 〈2〉出走の上限回数は1回から2回に変更される。単独チーム、または連合チームで本大会出走が1回までの選手は連合チームの選出対象となる。

 なお、外国人留学生選手は、連合チームの選出対象にならないこと、正式な順位がつかないオープン参加となることに変更はない。

 関東学生連合の編成方法の変更によって、前回の本戦で8区に出場し、区間7位相当と健闘した東大の秋吉拓真(4年)は、もう一度、箱根路をかけるチャンスを得た。来春、東大大学院に進学して学問の追究と並行して、新興実業団チームのM&Aベストパートナーズで競技を続行する文武両道ランナーの挑戦が注目される。

 今回、暑熱対策のため、スタート時間が前回までの午前9時35分から午前8時30分に変更される。少しは暑さが回避されることが見込まれるが、10枚の箱根行き切符を巡る戦いが“熱い”ことには変わりはない。予選会まであと12日。

いよいよ決戦が迫ってきた。

 ◇第102回箱根駅伝予選会開催要項

 ▽日時、コース 10月18日午前8時30分、東京・立川市陸上自衛隊立川駐屯地をスタート。立川市街地を回り、国営昭和記念公園にゴールする公認コースのハーフマラソン(21・0975キロ)。世界陸連の世界ランク対象競技会でもある。

 ▽競技方法 全選手が一斉スタート。各校、10~14人の登録選手の中から10~12人が出場し、上位10人の合計タイムで争う。留学生は登録2人以内、出場1人以内。上位10校が本戦の出場権を獲得する。

 ▽出場資格 関東学生陸上競技連盟男子登録者で24年1月1日~25年10月5日の有効期間内に1万メートル34分以内、ハーフマラソン1時間13分以内の公認記録を有する。

 ▽関東学生連合 予選会で敗退したチームの選手で編成し、本戦にオープン参加する。

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