将棋の福間香奈女流六冠=清麗、女王、女流王座、女流名人、女流王位、倉敷藤花=が6日、大阪・高槻市の関西将棋会館で第67期王位戦予選(7組3回戦)に挑み、浦野真彦八段に240手で勝利して、棋士編入試験の受験資格を取得した。

 白星を挙げたことで、直近の一般公式戦は10勝5敗(2不戦敗含む)の勝率6割6分7厘となった。

これにより「現在のプロ公式戦において、最も良いところから見て10勝以上、なおかつ6割5分以上の成績を収めたアマチュア、女流棋士の希望者」の取得条件を満たした。以下は主な一問一答。

 ―勝てば資格を取得することは知っていたか。

 「そうですね。周りの人に聞いていたので」

 ―資格取得も考慮しながらの対局だったか。

 「王位戦をもう一局戦いたいというところで準備をしていたので。編入試験がちらつくと、どうしても将棋の内容って変わってくると思う。あんまり考えてはなかったです」

 ―取得条件を満たした。

 「そういう勝率を挙げることができて、すごく充実感はありますし。そういうところに達することができて良かったです」

 ―受験するかどうかの意向は。

 「タイトル戦と平行してやっていかないといけないですし。出産を経て、家のこと(子育て)と対局日程の両方を現実的にやっていけるのかどうか考えないといけないので。

今回は私の気持ちひとつで受けられるかどうかはまだちょっと分からないかなと。こなせるかどうか、体調面も考慮して決めたいかなと思います」

 ―しばらく検討期間がある。

 「自分の中では充実してますので、前向きに検討したいです。本当にやっていけるかどうかだけですね。自分でも早く固めたいですが、対局も続いているので、すぐ決められるかどうか分からないです。対局に支障がないよう、平行して決めたいと思います」

 資格取得後、棋士編入試験として棋士との五番勝負(試験官は新四段5名を棋士番号順に選出)を行い、3勝で合格。フリ―クラスへの編入資格を得る。

 福間は22年(当時は里見姓)にも女性初となる受験資格を得たが、同年の棋士編入試験で0勝3敗となり、不合格となっている。今回、条件をクリアしたことで、アマチュア、女流棋士を通じて史上初となる2度目の資格取得となった。

 ★福間香奈の一般公式戦直近15局成績

【2024年】

〇 7月 5日 朝日杯1次予選 矢倉規広七段

〇    同日 同       安用寺孝功七段

〇 8月23日 王座戦1次予選 村田智弘七段

■ 9月11日 朝日杯1次予選 片上大輔七段=不戦局

〇 9月18日 王位戦予選   安用寺孝功七段

● 9月25日 王位戦予選   石川優太五段

■12月12日 王座戦1次予選 都成竜馬七段=不戦局

【2025年】

〇 7月28日 王位戦予選   小林裕士八段

● 8月 1日 棋聖戦1次予選 森本才跳四段

〇 8月 4日 朝日杯1次予選 小林裕士八段

●    同日 同       斎藤慎太郎八段

〇 8月26日 王座戦1次予選 長岡裕也六段

〇 9月10日 王位戦予選   西田拓也六段

〇10月 1日 王座戦1次予選 井田明宏五段

〇10月 6日 王位戦予選   浦野真彦八段

※朝日杯は朝日杯将棋オープン戦。

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