体内の過剰な免疫反応を抑えるリンパ球の一種「制御性T細胞」を発見し、今年のノーベル生理学・医学賞に選ばれた大阪大学特任教授の坂口志文さんが、発表から一夜明けた7日、妻の教子さんと記者会見に臨んだ。

 ともに研究者の2人だが、帰宅後や休日に研究の話をするかどうかについて教子さんは「お互い忙しかったりして、要するに、あんまり気にならない存在なんですね。

だから、ほとんど空気」とユーモアたっぷりに返答。志文さんは「ラボの中の人間関係や、あの子が悩んでいるらしいとか、その程度の話ですね。私はそういうことを処理するのが下手なので。彼女は動き回ってなんとか解決しようとしてくれます」と語った。休日には趣味の読書をしているという志文さん。教子さんから「主人はなんかドテッと本を読んでます。たまに夕方に1時間くらい歩き回っている」と暴露され「ずぼらだと言っております」と苦笑いを浮かべた。

 これまでの生活で印象的な思い出として、アメリカでのスキー場事件を挙げた志文さん。30代の頃、スキー好きな志文さんはスキー場に隣接された会場で学会に出席し、妻の教子さんはスキー学校へ。志文さんが滑って楽しんだ後、ホテルに帰ると電話に赤い信号がともっており「電話したら、『あなたの妻がスキー学校で転倒して今病院にいます』という話で。肩を脱臼していました。それを思い出しますね」と明かした。

 教子さんは志文さんに心ひかれた点に「愛知がんセンターに行っていた時代で、私は学生。なかなか見たことのないような変わった趣味の人がいて。すごい一生懸命研究をやっていて、私の周りにそういう人がいなかったので、ちょっと違った種類の人間に見えました」と、まじめな人となりにほれ込んだ様子をはにかみながら語った。

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