◆練習試合 巨人5―0ヤマハ(7日・東京ドーム)
巨人が7日、ヤマハとの練習試合(東京D)を行った。11日から始まるDeNAとのクライマックスシリーズ(CS)第1ステージ(S)前の最後の実戦で最終調整した。
練習では得られない収穫がたっぷりあった。CS前の最後の実戦となったヤマハとの練習試合は5―0で快勝。前日のSUBARU戦も含めた2連戦で、1軍リリーフ投手が全員登板した。阿部監督は「こういうゲーム形式で投げられたのは大きい」と手応え。野手陣もほぼベストメンバーで実戦感覚を維持し、CSに向けて弾みをつけた。
リーグ3位でCSは全戦ビジターで先攻。本番を想定して先攻で行った。初回、1番・丸が左腕・佐藤廉の2球目を右中間に二塁打。続くキャベッジが初球を左中間への適時二塁打として開始3球で先制した。6日の練習試合に続き2戦連続タイムリー。
今季の巨人は先制すると45勝21敗、勝率6割8分2厘。先制されると勝率は3割4分2厘だった。第1Sの相手・DeNAも先制試合は勝率7割6分1厘で、先制されると同2割8分6厘と似た傾向がある。短期決戦で「初回表」に得点してリードできれば、味方投手陣に勇気を与えられる。そのためにも、2番・キャベッジの打撃は重要なポイントの一つになる。阿部監督も「もちろんやってもらわないと困る選手だからね」と期待。この日のようなスタートダッシュが理想だ。
1日のレギュラーシーズン最終戦からCS初戦まで9日間、間隔が空く難しい日程。近年は一部投手、野手が宮崎のフェニックス・リーグで、主力はG球場などで実戦形式のシート打撃を行うパターンもあった。「正解がないからね」と阿部監督も最善策を模索。今年は戸郷、横川、田中将の一部先発と捕手の岸田、小林ら一部野手が同リーグに出場し、その他1軍メンバーは社会人と無観客で2試合を行った。
この時期に野手がベストメンバーで実戦に臨むのは新たな試み。今夏の都市対抗で8強のSUBARU、同4強のヤマハと強豪相手に、試合でしか確認できない実戦的な投球、打撃ができたのは有意義だった。天候に左右されない屋内の東京Dで、トレーニング環境も充実。「やり残したことがないように」と各自がどっしり地に足をつけて計画的に練習できている。
8日は休養日で9、10日と残り2日間練習して横浜での決戦に向かう。「休み明けしっかり調整して、CSに向かいたい」と阿部監督。下克上日本一への熱い思いを胸に着々と準備が進んでいる。(片岡 優帆)
◆巨人近年のポストシーズン前調整
▽24年 リーグ優勝
若手中心に宮崎参戦 シーズン終了からCS最終S開幕まで約2週間あり、先発陣、1軍の若手、一部主力野手がみやざきフェニックス・リーグにスポット参戦。救援陣は東京Dでの3軍かずさマジック戦に登板した。岡本、坂本ら主力野手は試合には出場せず、東京Dでのシート打撃で調整した。
▽21年 リーグ3位
1軍本隊東京で練習 調整登板する先発投手陣とバッテリーを組む捕手、一部野手が宮崎のフェニックス・リーグに参加。1軍本隊はG球場や東京Dでじっくり練習。
▽20年 リーグ優勝
コロナで短期間調整 コロナの影響でシーズン開幕が遅れ、CSは開催せず。11月14日にシーズン最終戦を終えると同月21日開幕の日本シリーズへ向けて16日から再始動。18日からは日本シリーズが行われる大阪に移動して調整するなどしながら、シート打撃で実戦感覚を維持した。