今季限りで現役を退くことになったドジャースのカーショーは、37歳シーズンとなった今季は11勝2敗で、有終の美を飾った。これに対し、42歳シーズンの今季は自己最悪の4勝11敗ながら、来季も現役続行を希望しているのが、ジャイアンツのバーランダーだ。
通算212勝から223勝に伸ばしたカーショーは、通算勝率を昨年の・693から・699に上げた。勝ち星の上積みが少なかったバーランダーは通算勝利を266とし、通算2000投球回以上で昨年までは22位だった勝率(・641)は、33位(・627)に落ち込んだ(カーショーの2位は変更無し)。
1試合のリリーフ含め、カーショーの防御率は3・36。バーランダーは3・85と大差が付いているわけではない。2人の成績の差につながったのは、ドジャースとジャイアンツの打線の援護と味方救援陣の差であることは間違いない。
2人の9イニングあたりの援護点はカーショーが5・95に対し、バーランダーは3・97と約2点違う。ちなみにドジャースの山本由伸は3・27点と少ない方から2番目だったこともお知らせしておく。カーショーが投げた試合で、2得点以下だったのは10試合あり、うち無得点は1度だけだった。一方、バーランダー登板試合での援護点2得点以下は18試合。7月には3試合続けて1点も取ってもらえないなど、援護0の試合は6試合を数えた。
弱体とされたドジャースリリーフ陣だが、カーショー登板時は踏ん張り、白星をフイにした試合は5月28日ガーディアンズ戦の1試合だけ。一方、バーランダーは7試合もリードした状態で降板しながら、リリーフ陣が打ち込まれて勝利が消えているのだからたまらない。
援護が無くても、救援陣が打たれても、淡々と投げ続けたバーランダー。9月は5試合1勝1敗ながら、30回1/3を投げ防御率は2・08と全盛時代に近いピッチングを披露してシーズンを終えた。先発ローテーション投手としては及第点のシーズンを送ったと言える。
今年はジャイアンツとの年俸1500万ドル(約22億2500万円)の1年契約。来季の投球にも意欲を燃やすバーランダーに対し、ジャイアンツは理解者でもあったメルビン監督を解任した。新監督を含めフロント陣がバーランダーの終盤の成績と年齢をどう判断するかで、再契約のオファーを出すかどうかが決まるのだろう。
※参考資料 ベスボール・リファレンス&ドジャース、ジャイアンツのゲームノート
蛭間 豊章(ベースボール・アナリスト)