俳優の阿部寛が8日、東京・新宿ピカデリーで行われた主演映画「俺ではない炎上」(山田篤宏監督)の“大炎上”御礼イベントに共演の藤原大祐、夏川結衣と登壇した。

 原作は浅倉秋成氏の同名小説。

SNSで根拠のない情報が“真実”となり、冤罪(えんざい)事件へと発展する恐怖を描いたミステリーだ。

 ネイビースーツ姿で登場した阿部は、殺人犯として個人情報をさらされた大手ハウスメーカーの営業部長を演じた。公開2週目。最近は海外で仕事をしていたというが、作品の反響が耳に入っているようで、「『学校の教材にしたらいいんじゃないか』という話がちまたに出ているみたい」と手応えを感じているようだ。

 作品のストーリーにちなんで、司会者から逃げたかった出来事を聞かれると、主演舞台「コースト・オブ・ユートピア」(2009年)を挙げた。ロシア革命を描いた劇作家トム・ストッパードの上演時間10時間の超大作。演出は蜷川幸雄さん(2016年死去)が務めた。事件は10時間の最後に起きた。「10行のセリフがあったんですが、忘れちゃった。3分間くらい『人間は頑張るしかない』というボキャブラリーしか出てこない。蜷川さんは怒りませんでしたが、がっかりしていました」と苦笑いで振り返った。

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