2025年全豪オープンのジュニア女子シングルスで、1969年ウィンブルドン・ジュニアの沢松和子以来、日本女子として56年ぶりに4大大会ジュニア・シングルスを制した園部八奏(わかな・IMG)が8日、大阪市内で会見し、プロ転向を発表した。園部は「世界で活躍できる選手になるように頑張りたい。

来年の目標はグランドスラム(4大大会)に出ること。将来はトップになること」と、プロへの抱負を述べた。園部は、今年5月にジュニア世界ランキングで1位に輝く快挙も達成していた。

 男子の錦織圭(ユニクロ)、西岡良仁(ミキハウス)らと同様に、日本テニス協会の盛田正明名誉顧問が私財で設立した盛田正明テニス基金の支援を受け、2022年に米フロリダにあるIMGアカデミーに留学した。この日の会見に同席した盛田名誉顧問は「ジュニアとプロの試合は全く違う。プロになるとお金がかかる。今まで以上に大変だが、彼女なら必ずやってくれる」と、厳しさの中にも期待を込めた。

 身長174センチと、日本女子としては久々の「大型」新人だ。全豪の時には「背が伸びている」と、まだ成長期だと明かしていた。左利きから繰り出されるサーブは、自身最速で時速174キロをマークし、フォアハンドとともに、「攻撃的なテニスをしたい。いいところを伸ばせば、上の選手にも勝てる」という園部の最大の武器となる。

 ウェアとシューズをスポーツ用品メーカーのミズノと契約し、同社のブランド・アンバサダーに就任したことも、この日、発表された。

プロデビュー戦は、13日に開幕する女子ツアー公式戦、木下グループ・ジャパン・オープン女子(大阪・モリタテニスセンター靱)となる。この日、主催の日本テニス協会は、園田に本戦のワイルドカード(推薦出場枠)を与えると発表した。

 名前の「八奏(わかな)」は、両親がつけた。「八」を洋数字の「8」にし、横に回転させると、無限大を意味するインフィニティ(∞)に似る。「無限に(多くこのことを)奏でることができる」という願いを込めて名付けられた。園部のテニスの未来も、その名前通り、無限大に広がっている。

 ◆園部八奏(そのべ・わかな)2008年1月17日、さいたま市生まれ。17歳。兄の影響で4歳でテニスを始め、2021年14歳以下国別対抗戦ワールドジュニア日本代表。2022年盛田テニス基金のテストに合格し、支援を受け渡米。2024年全米オープン・ジュニア準優勝。2025年全豪オープン・ジュニア優勝。

174センチ。家族は両親と兄。

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