全国高校サッカー選手権(12月28日開幕、東京ほか)への代表1枠を目指して戦う北海道大会が、11日に帯広市などで始まる。昨年優勝の札幌大谷は、今年、全国高校総体の北海道予選とプリンスリーグ北海道で優勝。

2011年の旭川実以来、史上2校目の北海道3冠取りに挑む。

 総体道予選4試合を無失点。プリンスリーグでは8チーム中最多の39得点で失点は8と、安定した戦いを見せてきた今季の札幌大谷。選手権道大会での3冠に向けて歩みは順調に見えるが、おごりはない。清水隆行監督(50)は「選手は3冠を目標にはしているが、起こらないようなことが起こるのが選手権。目の前の1試合に集中していって、その積み重ねで結果、3冠に届いていればいい」と一戦必勝の意識を貫いていく。

 選手も思いは同じだ。公式戦で敗れるごとに主将が交代する2人制を敷く今年。全国高校総体で富山第一にPK戦で敗れた後、主将の座に就き続けているMF菊谷輝(3年)は「ここまで2冠はしてきたが、足元をすくわれないように、目の前の試合に全力で取り組むことを練習から意識してきた」と口にした。慢心することなく、3つ目の頂へと向かっていく。

 昨年は4年ぶり4度目の全国選手権出場を果たした。持ち前のつなぐサッカーを徹底して9大会ぶりの勝利を挙げ、2回戦ではプレミアリーグを制した熊本・大津に1―2と、堂々渡り合った。

清水監督は「去年の方がうまさはあった」とJ2今治入りしたMF笹修大を中心とした前チームを思い返しつつも、現チームを「フィジカル的には今までで一番高いんじゃないか」と評する。時速30キロ以上で走れる選手が6人いるなど、ボールを動かすスタイルに「強さ」が加わった今年、初の連覇を目指す態勢は整っている。

 昨年は総体道予選、プリンスリーグとも2位。今年は参加各校からマークされる存在へと変わった。前主将のDF大石蓮斗(3年)は「追われる立場になるが、プレッシャーに感じるのではなく、楽しめるくらいのモチベーションで臨みたい。難しい試合にはなると思うが、その中でも勝ち切れる強さを見せたい」と本番を見据えた。新たな歴史を築くべく、札幌大谷イレブンは10日、開催地の帯広市へと向かう。

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