巨人・大勢投手(26)が11日から始まるクライマックスシリーズ(CS)第1ステージ(S)DeNA戦(横浜)で、レギュラーシーズンでは一度もなかった3連投も辞さない覚悟を口にした。9日、東京Dで行われた全体練習に参加。

阿部監督も同じく2連投までだった守護神・マルティネスとともに「いってもらうよ」と明言した。今季、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した右腕が、下克上突破へフル回転で腕を振る。

 全てはチームが勝ち上がるため。大勢が阿部監督の3連投解禁指令に鋭く反応した。その表情はいつにも増して、たくましかった。

 「シーズンが終わって間も空いているので、体の方は大丈夫。そういう状況になれば、しっかりと投げたいなっていうか、しっかりパフォーマンスを発揮したい」

 今季、レギュラーシーズンでの3連投はないが不安はない。昨季も同様にCSで解禁され、DeNAとのCS最終S第5戦(東京D)で3連投。2戦連続セーブをマークしている。「常に1試合1試合が新しい試合っていう気持ちでやっていたので、そういうつもりで今回もやりますし、初戦をしっかり取ることが大事。パンパン!って決められるように初戦をしっかり取りたい」と力強く話した。

 今季はルーキーイヤーの22年から担ってきた守護神の座をマルティネスに譲り、主に8回を担ってきた。

62試合で8勝4敗、防御率2・11で球団新記録の46ホールド、54ホールドポイントをマーク。阿部監督の指令通りに最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。

 だが葛藤ももちろんあった。「クローザーから8回になって、いろいろな思いもありました」と話すと続けた。「客観的に見ても、ライデルを見たら僕が9回を投げるのはなかなか難しいと感じた。積みあげてきた(実績の)差や投げているボールを見て。そこで切り替えて、チームが勝てばなんでも良かったので、任せられたところでしっかりと1年間やれたのは良かった。絶対的守護神なのでそこにつなげれば大丈夫って気持ちで投げていた」。マルティネスの存在は大勢にとっても精神的支え。CSでも“タイマルリレー”でチームに勝利を導く。

 負ければ即シーズン終了。すでに短期決戦モードに切り替わっている。

「1球1球大事になってくるので集中して投げたい。短期決戦なので、最初からしっかり飛ばしていけるように」。しびれる戦いが間もなく幕を開ける。(水上 智恵)

 ◇大勢の3連投

 ▼22年9月21日DeNA戦(横浜) 1点リードの9回に登板して、プロ初の3連投。1回無失点2Kで新人最多37セーブに王手をかけた。

 ▼23年5月13日広島戦(東京D) 1点リードの9回に3連投に臨むも、先頭打者への四球から1死三塁のピンチを招いて同点に追いつかれた。プロ初の2戦連続セーブ失敗。

 ▼24年10月20日・CS最終S第5戦DeNA戦(東京D) 24年初の3連投。1―0の9回に登板し、1死から2四死球で一、二塁のピンチを招くも、宮崎を空振り三振、代打・筒香を中飛に仕留めて役割を全う。

 ◆巨人投手の3日連続登板 巨人投手の今季の連続登板は3日が最多。船迫が8月15~17日、9月26~28日の2度、ケラーが8月21~23日の1度、田中瑛が9月9~11日の1度、宮原が9月26~28日の1度で4人5度。9月26~28日は船迫、宮原の2人が同期間に3日連続登板している。

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