東京世界陸上(9月、国立競技場)の男子35キロ競歩で銅メダルを獲得した勝木隼人(自衛隊体育学校)が10日、母校の東海大・湘南キャンパスを表敬訪問。陸上競技部が開催したメダルセレモニーにも登場した。
勝木は東海大時代、長距離選手として箱根駅伝出場を目指していたが、練習のやり過ぎなどが原因で故障。2年生からマネジャーと掛け持ちで始めた競歩で頭角を現し、一本化した。「僕の性格は、“できることでベストを尽くす”。競歩は高校から始める人が多いので、他の人の3倍やれば良いと思っていた」と驚異的な練習量でグングン成長し、世界トップレベルまで上り詰めた。
中・長距離ブロックの選手たちは18日の第102回箱根駅伝予選会(東京・立川市など)に挑む。前回の予選会は14位で、まさかの敗退。確実な突破を狙う今回は、エースの花岡寿哉(4年)をはじめ、兵藤ジュダ(4年)、鈴木天智(4年)ら主力が順当に登録。前回、ゴール手前約15メートルで熱中症のため途中棄権したロホマン・シュモン(4年)もメンバー入りした。昨年の悔しさを晴らすため、1年間、地道に努力を続けてきたロホマンの魂の走りにも注目が集まる。
勝木は「今までやってきたことを信じるしかない。大きな舞台では緊張しますが、それはみんな一緒。高い目標があるなら、今の実力がどうとか関係なく、自分の能力を高めることに集中して欲しい。
勝木自身も26日、来年秋のアジア大会(愛知・名古屋市)代表選考を兼ねた全日本競歩高畠大会(山形・高畠市)のマラソン競歩にエントリーしている。世界陸上は終わったばかりだが、さらなる結果を追い求めてまだまだ足を磨くつもりだ。「世界記録は出したい。世界大会でまだ勝ってはいないので、全て勝てるようにもしたい。勝っていない大会がないと言える状態になりたい」ときっぱりと決意表明。後輩たちに大きな刺激を与えた。