西武・今井達也投手(27)が10日、ポスティングシステムを利用した米大リーグ移籍の希望を球団に伝えたと明かした。ベルーナDでの秋季練習終了後に広池浩司球団本部長(52)と交渉を行い、「一番いい時期が過ぎてからじゃ遅い。
今井は夢への熱い思いを、はっきりと口にした。広池球団本部長と2人で話し合った後、代理人も交えて交渉。真っすぐ前を見て、声を張った。
「全盛期じゃないけど、一番いい時期がいつ始まっていつ終わるか分からない。過ぎてからじゃ遅い。この2、3年でチームの中心として戦えるようになってきているのも含め、ここ1、2年でチャレンジしてみたい。どこまで通用するのか(試したい)」
昨年中からメジャーへの憧れを球団側に伝えていたとも明かした。作新学院から16年ドラフト1位で入団し、9年目の今季は24登板で3年連続の2ケタ勝利となる10勝(5敗)を挙げ、防御率1・92。すでに敏腕代理人のスコット・ボラス氏(72)が運営するボラス・コーポレーションと契約を締結しており、シーズン中には代理人側と球団が交渉の場を持ったという。
順調でも海外FA権の取得は2027年。
交渉役の広池球団本部長は「あれだけのピッチャーなので、当然残ってほしいという部分はある」と来季も先発の柱として期待。「ポスティングしたいです、メジャーに行きたいですという思いは受け止めました。今日正式に受け取ったところなので、これからしっかりと精査します」と、慎重に検討する考えを明かした。
今井の西武入団年に投手コーチに就任し、成長を見守ってきた西口監督はエース流出の可能性に「そりゃ痛い。計算できるんだから」と頭を抱えたが、「1回しかない野球人生なので、夢をかなえてあげたい思いはある」と親心も口にした。西武では過去には松坂、菊池らがポスティングでメジャーに挑戦。米国内では総額2億ドル(約300億円)規模の契約が見込めるとの報道もあり、移籍が実現すれば球団に多額の譲渡金が支払われることになる。ポスティング申請は11月1日から。レオのエースの動向に注目が集まる。
◆今井に聞く
―球団側の反応は?
「今日話して今日で結果が出るってわけじゃない。球団も球団で話さなきゃいけないこともありますし、それをただ待つだけ」
―シーズン中には?
「代理人がシーズン中に1回話をしてくださって」
―今後の交渉は基本的には代理人と一緒に?
「もちろん代理人さんがいる時は一緒にですけど、僕と広池さん2人でもいろいろ話していけたら」
―今の気持ちは。
「人生1回しかないのでやれることやりたいし、いろんなチャレンジや挑戦をしていくことは好きなことなので、できる時に精いっぱいのことをやりたいという気持ち」
―どこを基準に話し合いを。
「一番は勝つためにやってる。このチームで勝ちたい、優勝したいと思えるチームでプレーできればベストだと思うし、そういうのがモチベーションにつながってくると思うのでそこが一番大事かな」
―去年より今年の方が強く希望を伝えられた?
「なかなか直接話す機会がなかったので、去年よりはしっかり話はできた」
◆ポスティングシステム NPBの選手が海外FA権取得前にMLBに移籍する制度。所属する日本球団が容認した場合、NPBが球団からの申請を受理してMLBに伝え、メジャー全30球団に通知された翌日から交渉が可能。申請手続き期間は11月1日から始まる。契約総額に応じてMLB球団から、所属の日本球団へ譲渡金が支払われる。25歳未満の場合はマイナー契約しか結べず、契約金などの総額が制限される。