◆秋季滋賀県大会▽3位決定戦 滋賀学園5―1近江兄弟社=延長10回タイブレーク=(11日・マイネットスタジアム皇子山)

 人生初の満塁本塁打で近畿大会出場を決めた。延長10回2死満塁、中野壮真一塁手(2年)がスライダーを左翼スタンドへ運んだ。

「入ってくれと思っていた」。審判の腕が回っていることを確認すると、力のこもったガッツポーズが出た。「自分のミスがあって延長までいってしまったので、それを取り返す気持ちでした」。一塁走者だった4回に守備妨害でアウトとなり、チャンスをつぶした。汚名返上の一打だった。

 1年秋から20番でベンチ入りを果たすも、2年夏はベンチ外に。山口達也監督からは「人間性が良くない」と自身の怠惰な部分を指摘され続けた。自分を変えるために2年春から始めたのが“徳を積む”活動だ。誰よりも早く登校して校門の掃き掃除を行い、道ばたのゴミも拾った。「最後に助けてくれるのは自分しかいない」。行動が結果に表れ、今秋初めてひとケタの背番号をもらった。

 準決勝では近江と3時間を超える熱戦の末敗れたが、3位で近畿大会へ進む。

「3位になってしまったけど、甲子園に行けるチャンスはある。チーム滋賀学園という形で絶対に行きたい」。2年連続のセンバツ出場へ、中野が「徳」と「努力」で導く。

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