34年ぶりとなる大相撲のロンドン公演が、現地15~19日に行われる。海外公演は2005年の米ラスベガス以来で、ロンドンでは1991年以来2度目。

海外興行としては2013年ジャカルタ巡業以来となる。大相撲の海外興行はどのように行われるのか。Q&Aで一部を紹介する。

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 ◆大相撲海外興行Q&A

 Q 公演と巡業の違いは?

 A 海外公演は、相手国からの招待を受け日本相撲協会が主催する。諸外国で大相撲の取組などを紹介し、日本の伝統文化を広める公的な意味合いもある。一方、海外巡業は、国内と同じように現地あるいは日本の勧進元が主催するため私的な色彩が強い。力士たちは現地との国際親善の役割も担うため「裸の大使」とも呼ばれる。

 Q 飛行機はなぜ2班に分かれて移動するの?

 A トラブルなどで到着が遅れ、興行ができないことを防ぐため。今回は先発のA班に大の里、第2陣のB班に豊昇龍と、両横綱が分かれてロンドン入り。

 Q 飛行機の席は。

 A 大関以上はファーストクラス、幕内以上はビジネス、以下はエコノミー。体が大きくビジネスなどに座れない場合は3人がけのエコノミーに2人で座るなど工夫する。

腰回りが太く、通常のベルトで固定できない力士は、延長ベルトを借りて対応する。

 Q 席順はどうやって決める。

 A 力士の重さを考え、左右で機体のバランスが偏らないように振り分ける。

 Q 荷物は。

 

A 明け荷は空輸で送られる。重量の上限があるため、座布団は入れられず。税関検査があるため、明け荷に入れられるものも決まっている。横綱は綱一式を入れるため、明け荷が2個。太刀持ちの太刀は空港の手荷物で預ける。

 Q 土俵は。

 A 土俵の土は検疫に引っかかるため、現地で調達。粘土のある土などを選び、早く固めるため、セメントを混ぜて土俵を作る。

俵に使うワラも検疫に引っかかる可能性があり、本物に見えるビニール製などの俵で代用したことも。

 Q つり屋根は。

 A 国技館で本場所使用するつり屋根(6・25トン)ではなく、軽量化されたものを日本から運ぶ。

 Q 力士の現地での過ごし方は。

 A 今回は5日間の成績で優勝を争う公演(15日~19日)以外に、自由時間もあり、ロンドン市内の観光も予定されている。

 Q ロンドン公演の会場は。

 A 1871年に開場した歴史あるロンドン屈指の劇場、ロイヤル・アルバート・ホール。ドーム形の屋根と赤レンガが特徴的な円形の劇場で、オペラ、クラシック、ロックなどの音楽以外にも、ボクシングプロレスなどのスポーツ興行まで幅広く開催される。前回1991年の大相撲ロンドン公演も同会場で行われた。

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