◆米大リーグ 地区シリーズ第5戦 ブルワーズ3―1カブス(11日、米ウィスコンシン州ミルウォーキー=アメリカンファミリーフィールド)

 ナ・リーグの地区シリーズ(S)第5戦が11日(日本時間12日)に行われ、ブルワーズがカブスを破り、リーグ優勝決定S進出を決めた。カブスの鈴木誠也外野手(31)は意地の本塁打を放つも終戦となった。

  * * *

 絶好調のまま、誠也のシーズンが幕を閉じた。2戦で王手をかけられてから2勝し返し、第5戦に持ち込んだが、力尽きた。静まりかえった試合後のクラブハウスで「まだ気持ちの整理がついてないんで…ちょっと何とも言えないです」と悔しさをにじませた。

 圧巻の一撃を見舞った。1点を追う2回先頭、怪物新人右腕ミジオロウスキーの101・4マイル(約163・2キロ)直球を捉えて右中間席に運んだ。一時同点となるソロに雄たけびをあげ、感情を爆発させた。08年以降のPSで生まれた本塁打では最速タイのボールをはじき返した一発となり、PSでは3試合ぶり3発目。地区Sまでに3発を放つのも日本人初の快挙だが「(投手の)自信のある球をはじけたというのはよかったかなと思いますけど、負けちゃ意味ないんで」と空砲に終わり、肩を落とした。

 酸いも甘いも経験した米4年目だった。32本塁打、103打点は自己最多。9月25日からのPSを含めた12試合で8本塁打と、終盤に一気に調子を上げ、自身初のPSも経験した。一方で8月からは38戦連続本塁打なしなど苦しんだ時期もあった。

「今年はちょっと自分でもけっこう深刻なくらいな感じで落ち込んだので、そこはいい勉強になった。そこから立て直して最後いい形で終われたのは自信になる」。淡々と1年間を振り返った。

 来季は5年契約の最終年となる。「PSの戦い方もいい経験ができたので、すべてが来年につながるようにあしたからやっていけたら」。来季は3月のWBCにも出場する可能性もある。さらに大きくなった姿を示す。

(安藤 宏太)

編集部おすすめ