◆秋季大阪府大会▽決勝 大阪桐蔭9―8近大付(12日・GOSANDO南港)

 大阪桐蔭が近大付とのシーソーゲームを9―8で制して2年ぶり13度目の優勝を果たした。4番の谷渕瑛仁(えいと)一塁手(2年)が決勝打を含む2安打5打点。

2度の雨天中断があった3位決定戦は、金光大阪が太成学院大高に逆転勝ちして2021年以来、4年ぶりの近畿大会切符を手にした。これで、来春センバツ出場校の選考資料となる近畿大会(18日~11月3日・さとやくスタジアム)に出場する16校が決定した。

 大阪桐蔭が秋王者に返り咲いた。逆転を許した直後の8回、1点を返し、なおも1死一、二塁。谷渕がとらえた打球は左中間を割った。「自分がここで試合を決めるという気持ちだった」。適時二塁打で2人がかえり、再逆転。2時間51分に及んだ熱戦を制し、2年ぶりの栄冠をつかんだ。

 2―4の5回1死一、三塁、谷渕の適時二塁打で追いついた。7回に2点を追加して勝負を決めたかと思われたが、8回にまさかの4失点でひっくり返された。ただ、「ここで落ちたら前のチームと一緒」とナインは士気を落とさず。直後の再逆転劇につながった。

 落ちないために、新チームがテーマに掲げたのは「活気」。普段の練習から徹底し、さらに声の質まで求めた。「意味のない声ではなく、こういうプレーをしていこうとか。野球をもっとしゃべろう、勉強しようとやってきた」と、谷渕は胸を張った。

 この日は、先発した来秋ドラフト候補右腕の吉岡貫介(2年)と2番手の192センチ左腕・川本晴大(1年)が計8失点。森陽樹と中野大虎(ともに3年)の絶対的柱が崩れ敗れた今夏の大阪大会決勝に重なったが、今度はこの逆境を打線がはね返しきった。西谷浩一監督(56)も、「この1年、春夏の甲子園を逃して、なんとか上に行ってやりたいという強い気持ちを持っているチーム。去年はここで負けてしまったので、一つ上に行けた」とうなずいた。

 ベンチ入りしている中村勇斗内野手(1年)の父で同校OBの西武・中村剛也も見守る中、大阪1位で近畿大会に駒を進めた。昨年は初戦敗退。大阪勢は98年ぶりにセンバツから姿を消した。「近畿を勝ちきって、甲子園」と谷渕。

逆境も糧に来春聖地へ一気に駆け上がる。(瀬川 楓花)

 ○…3位決定戦は金光大阪の意外な戦法が逆転を呼んだ。0―1の4回、雨により70分の中断。前日に電車の人身事故で帰宅時間が遅くなったこともあり、バッテリーを除く出場選手は昼寝を敢行した。「20分くらい。1点差で受け身になっていたけど、頭がスッキリして入れた」と主将の堀田紺都音(ことね)一塁手(2年)。6回に逆転し、つかんだ4年ぶりの近畿大会に、横井一裕監督(51)は「(実力は)16番目、しっかり練習して迎えたい」と気合を入れた。

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