日本代表は13日、ブラジル戦(14日)に向けた前日練習を味の素スタジアムで行った。MF堂安律は、過去の対戦で2分け11敗と勝利したことがないブラジル戦を前に「勝ち方は正直、どうでもいい。
森保一監督は、この日の記者会見で立ち上がりはこれまでアジアで貫いてきた前からの守備を試し、その後は臨機応変に5―4―1でブロックを敷く形への移行なども想定。選手間でもブラジル戦に向け、さまざまな話し合いを行っていると明かした堂安は「忘れちゃいけないのは、自分たちのスタイルって、そもそも何なん? ってこと。(22年W杯の)カタールで成功した形、相手を(自陣に)引き込んで仕留める、ということも自分たちのスタイル。ここ最近積み上げてきた、ボールを回すことも自分たちのスタイル。1つが自分たちのスタイルではない」と語った。
22年カタールW杯で、ドイツ、スペインを破ったのは、5―4―1での守備ブロックから鋭いカウンターで仕留めた形。両試合でゴールを決めた堂安は、その精度を高めることも重要視する。同じく自陣に引いた形からの攻守を想定し「カタールの時は、即興でやったというか、多少リスクを犯しながら、システムではめにいった感じだった。今回は相手の(ブラジル代表FW)ビニシウスが(日本選手と)1対1になった時は、シャドーがどこまでカバーするのか。(相手SBなどに)インナーラップされたときは、誰がついて行くのか。チームの決まり事は必要。
もちろん、前からの守備でブラジルを圧倒できれば理想的だ。しかしその思惑が成功しなかった場合の準備も、堂安をはじめとした選手の頭の中にはある。アジア予選などでは、5―4―1からのカウンターを準備する機会は少なかったが「選手から(森保)監督に、こういうのはどうっすかね、と話すこともそうですし、監督からの提示もある。今はすりあわせている最中」と明かした。
さらに押し込まれた場合から、ボールを奪って押し返す状況では、アジアで続けてきたボールをつなぐスタイルが生きるはずだ。「カタールの時(スペイン戦)は、(ボール保持率が)80パーセント(スペイン)と20パーセント(日本)とかもあったけど、それを70、30とか、60、40にできれば。(世界トップクラス相手に)50、50は僕はまだ早い、と思っているので、肌感覚としては。もちろん、それができればいいですけど。明日の試合で、ちょっとでも積み上げてきたことを出せれば」と堂安。最も重要なことは、どんな戦術であっても、それが勝利にどれだけつながるのか、という点。