広島は13日、ドラフト会議(23日)で創価大・立石正広内野手(21)を1位指名すると公表した。2年春に東京新大学リーグで3冠王に輝き、大学日本代表で4番も務めたアマNO1打者。

マツダ内でのスカウト会議後、田村スカウト部長は「かなりレベルの高い選手。近い将来の中軸、4番の候補」と4年連続で事前公表し、23年の青学大・常広(広島)、昨年の明大・宗山(楽天)に続き、3年連続の12球団最速公表に踏み切った。

 競合は5球団とも6球団とも言われる今回の最大の目玉だ。事前公表は他球団をけん制する狙いもあるが、何より熱意と誠意の表れ。「結構な数で競合すると思うが、立石君でいくことは決まっている」と田村部長。来季に向けて「投手も野手も核となる選手を育てていく」と掲げる新井監督とも事前に意見交換し、立石で一致したという。

 昨年は12球団で唯一、事前公表した広島出身の宗山を5球団競合の末に逃し、外れ1位で佐々木を獲得した。今年も1位で即戦力野手の獲得を目指し、慢性的に苦しむ得点力、長打力不足、さらに若手の伸び悩みの打開の一手とする。広島に隣接する山口出身のスター候補は二塁、三塁、外野も守れる。今季、首位打者と最高出塁率の2冠を獲得した小園との強力タッグが期待される。

 競合した場合、新井監督が3年連続となる抽選に臨む。23年は楽天との2球団競合で常広の交渉権を引き当てた。

チームは今季、15年ぶりの借金20で5位に沈んだ。自らの手で引き当て、巻き返しを期す来季に光をともす。(畑中 祐司)

 ◆立石 正広(たていし・まさひろ)2003年11月1日、山口・防府市生まれ。21歳。高川学園3年夏の甲子園1回戦・小松大谷戦でバックスクリーン弾。創価大3年秋の明治神宮大会は1大会最多10安打で準優勝。4年春は12試合で5本塁打、16打点の2冠でMVP。リーグ戦通算15本塁打。3、4年時に大学日本代表。50メートル走6秒0。180センチ、86キロ。右投右打。

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