学生3大駅伝開幕戦の出雲駅伝(13日、島根・出雲市=6区間45・1キロ)で2年連続3度目の優勝を飾った国学院大は歓喜から一夜明けた14日、出雲空港発、羽田空港着の日航機で練習拠点の神奈川県川崎市に戻った。前田康弘監督(47)、優勝のゴールテープを切った上原琉翔主将(4年)ら選手は出雲路連覇の喜びを力に変えて、第2戦の全日本大学駅伝(11月2日、名古屋市~三重・伊勢市=8区間106・8キロ)、最終戦の第102回箱根駅伝(来年1月2、3日、東京~箱根間往復=10区間217・1キロ)に向けてスタートを切った。
連覇を狙う伊勢路、悲願の初制覇を目指す箱根路に向けて、前田監督は戦略の一端を明かした。「全日本大学駅伝は登録メンバーに入った16人全員に出場のチャンスがあるし、全員が強いです。5区、6区で国学院大の強みを出せると思います」と自信をのぞかせる。
全日本大学駅伝は1~4区のスピード区間でレースの流れに乗り、長い7区と最長の8区はエース級が勝負を決めることが定石。5区、6区はチームの7番手、8番手が担う。選手層が厚い国学院大は、5区と6区でライバル校に差をつけることができる。
6区間の出雲駅伝でもチームの5番手、6番手が担うことが多い4区と5区で他校を圧倒。4区は辻原輝(3年)が区間新記録、5区は高山豪起(4年)が区間2位で勝利を決定づけた。
全日本大学駅伝では「もうひとつの出雲駅伝」と呼ばれる出雲市記録会5000メートルで13分58秒02の自己ベスト記録をマークした鼻野木悠翔(2年)、出雲遠征から外れた浅野結太(2年)、飯国新太(2年)、ルーキーの高石樹、野田顕臣ら学生3大駅伝未経験の新戦力が出番を狙う。
昨季から今季の出雲駅伝までの3大駅伝4戦で3勝で、優勝確率は驚異の75%。「箱根駅伝だけが勝てていない」と前田監督は満足することなく、表情を引き締めて話す。箱根駅伝は山上りの5区が重要区間となる。
山下りの6区は前々回区間10位の後村光星(3年)と前回16位の嘉数純平(4年)と2人の経験者がいる。
主力が担う往路の1~4区は、上原、高山、青木瑠郁(4年)、野中恒亨(3年)、辻原輝(3年)が他校の主力と同等以上の力を持つ。5区と6区の山区間をしのげば、7区以降は選手層の厚い国学院大が有利に戦える。
「昨季は本気で箱根駅伝を勝ちにいって勝てませんでした。次こそ勝ちたいです」と主将の上原はきっぱり話す。
通過点の出雲を颯爽(さっそう)と駆け抜けた国学院大は、伊勢路を経由して最終目標地の箱根に向かう。