森保ジャパンのパラグアイ、ブラジル戦で、昨年11月のアジア最終予選以来の招集となった、DF橋岡大樹(26)=スラビア・プラハ=が、このほどスポーツ報知の単独インタビューにオンラインで応じた。来年6月の北中米W杯本大会出場への強い決意、新天地のチェコで初めて参戦する世界最高峰の戦い、欧州チャンピオンズリーグ(CL)に向けた自身への期待感を語った。
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―今夏、英3部に降格したルートンからチェコの名門スラビア・プラハに移籍した。
「ルートンが3部に落ちてしまい、移籍したいと思いました。CLに出たい、CLで優勝したいというのが一つの目標であり、夢だったのが決め手。出場が確定しているスラビア・プラハに決めました」
―昨季圧倒的な強さでリーグを制した名門では、シーズン当初はベンチに座る機会が多かったが、9月13日のリーグ戦で初先発し、今季最長の59分間プレー。
「監督には『新加入の選手には最初の約1か月はチームでやることを学んでほしい。絶対にチャンスは与えるし、お前がいい選手だと分かっているから獲得した』と言われました。当初は(途中出場で試合を締める)クローザーでしたが、9月の代表ウィーク明けに先発で使ってもらい、得点にも絡むことができました」
―CLでは9月17日のボデ・グリムド(ノルウェー)戦で途中出場でデビュー。同30日のインテル(イタリア)戦では初先発した。アーセナル(イングランド)、バルセロナ(スペイン)といった強豪とも対戦が控える。
「ビッグクラブとやれるのは楽しみですが、お祭りだとは思っていません。どうやったら勝てるか、グループステージを突破できるかを考えながら、みんなで同じ目標に向かってやらないと。国内リーグでは戦えないようなチームとやれる。
―ルートン(英1部プレミアで半年、英2部で1年)での経験で学んだことは?
「プレミアは半年間(24年1~6月)であっという間。選手一人一人の質も違う、一個のミスが失点につながる。(昨季戦った)チャンピオンシップも、レベルが高い。フィジカルの強さもベルギーやチェコとは全然違い、僕もまだまだだなと感じました」
―日常のハイレベルな環境でたくましくなり、来年6月のW杯出場への思いを。 「自分たちの同年代(2021年東京五輪世代)の選手たちが活躍している。絶対にW杯に行きたい、行かなきゃいけないというところで、今何ができるかといったら、このクラブで結果を出し続けて出し続けて、代表に呼んでもらい、そこでまた結果を出すしかない。やることはシンプル。結果を出し続けて、いいパフォーマンスを出し続けるだけです」
―子どもの頃からW杯出場を夢見ていた。
「覚えているのは2006年ドイツ大会。中村俊輔選手、中田英寿選手がW杯で戦う姿を、テレビの前で代表のユニフォームを着て応援していました。(今度は自分が)W杯で戦っている姿を日本の子どもたちに見せられたらと思います」
―代表での役割も明確なイメージを持つ。昨年11月のW杯アジア最終予選(2試合出場)では3バックの右と右ウィングバックで活躍した。
「サイドで高さ(身長184センチ)もあり、ヘディングも対人も強いという部分で、最後に相手がボールを蹴ってくるようなチームに途中からクローザーとして入る。中国戦(同11月19日、3―1)がそうでした。与えられた役割を100%完璧にこなす、そういう選手も必要なので、もちろん先発は狙っていますが、そうでなかったとしてもチームに力を還元できるようにしたい」
―W杯本大会では守勢に回る時間帯も当然ある。自身が活躍するイメージは。
「ヘディングや、サイドでの攻防もあるので、そこで活躍したい。CLで、高いレベルの選手たちを相手にどこまで戦えるか、どれだけできるかというのを見せていきたい」
◆橋岡 大樹(はしおか・だいき)1999年5月17日、埼玉・さいたま市生まれ。26歳。浦和の下部組織から2018年にトップ昇格。21年1月にベルギー・シントトロイデンに期限付き移籍し、同12月に完全移籍。24年1月にイングランド・ルートンに移籍。今季からチェコの名門スラビア・プラハに完全移籍で加入。19年12月にA代表デビュー。