将棋の第47期女流王将戦が14日、東京・渋谷区の将棋会館で指され、西山朋佳女流王将が挑戦者の中七海女流三段に100手で勝利し、シリーズ成績を1勝1敗のタイに戻した。
4日の第1局(宮崎・都城市)は激しい1分将棋対決でタイトル戦初挑戦の中に勝利を許し、この日も午前中終了時点ではAI評価値で中がリード。
1局を終えて「激戦の展開だったかなと思っていて。(指し手が)分かれば自信があったと思うけど、進めてみると難解で、中盤は本当に自玉が常に危険にさらされていて、どういう風にすれば良いか難しくて。形勢が実際にどういう風に推移したか、いまだにわかっていなくて」と頭を悩ませた。
中との公式戦は、この日が3局目。どの戦型でも指すことができるオールラウンダーを前に「準備の段階から予測がつかない。安定して妥協ない指し手を指される印象があって、とても大変だなと感じている」と苦戦。一方で「3局すべて全く違う将棋になって、久しぶりに指した将棋ばかりで勉強になった」と充実感も漂わせた。
西山は6月に7連覇中だった女王位を福間香奈女流六冠に明け渡し、二冠に後退。今月は西山がタイトルを持つ本棋戦に加え、白玲戦七番勝負に臨んでいる。「かなり激戦になっていて、将棋の内容も激しいんですけど、結構自分の中では充実しているので最後だと思ってあとちょっとだけ走り抜けたら」と意気込んだ。
一方の中は昨年11月に女流棋士に転向。
勝負の第3局は29日、本局と同じ東京・渋谷区の将棋会館で行われる。