◆2025 パーソル クライマックスシリーズ パ最終ステージ 第1戦 ソフトバンク2x―1日本ハム(15日・みずほペイペイドーム)=延長10回=

 激しいV争いを繰り広げたペナントレース同様、この初戦も紙一重の勝負だった。試合を分けたのは、ソフトバンクのディフェンス力だったと思う。

 延長10回の攻防だ。日本ハムは先頭・レイエスが右中間フェンス直撃の打球を放ったが、中堅・周東が抜群のクッションボール処理を見せて二塁に進ませなかった。無死一塁となったことで、日本ハムベンチは4番・郡司に送らせるか、どうかという選択を迫られた。結果、強攻が不発に終わり2死まで走者を進められず、勝ち越し機を逃した。

 一方、ソフトバンクは先頭・栗原が四球。代走を送った上で4番・中村が犠打で走者を進め、最後は満塁から山川が試合を決めた。ルール上、優勝したソフトバンクは、引き分けでも勝ちに等しいものになる。どう動くべきか、というのが整理しやすい状況だった。

 ソフトバンクは5日のシーズン最終戦から中9日の試合。いくら緊張感を持って調整してきたとしても、第1Sを戦ってきた日本ハムとは実戦勘は雲泥の差だろう。若い選手が多く、新庄監督のキャラクターもあって、勢いに乗ったら止められなくなるチーム。先に点を与えていたら一気にのみ込まれる可能性もあった。

その点では、本来の出来とは言えないながら無失点で耐えたモイネロの功績も大きかった。(野球評論家・清水 隆行)

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