◆第30回秋華賞・G1(10月19日、京都・芝2000メートル)

  牝馬3冠最終戦の舞台は京都内回り2000メートル。コーナー4つの小回りに近いコース形態で、直線距離は328・4メートルと短い。

しかし、このレースにおいては差し馬が圧倒的に結果を残している。

 京都開催だった過去10回の勝ち馬を見ると、4角を5番手以下で回った馬が9勝。例外は23年のリバティアイランド(3番手)だが、1000メートル通過が1分1秒9という緩い流れだった。3角7番手からまくり気味にロングスパートをかけたもので、差し決着に近かったと言っていいだろう。

 先週の京都の芝は、3日間で3本のコースレコードが飛び出す高速馬場。11日の2歳新馬(芝1400メートル)で11年ぶりに2歳コースレコードが更新され、紫菊賞では従来の記録を0秒5も上回るレコードタイムが出た。月曜日に行われた古馬重賞のスワンSはオフトレイルが10年ぶりにコースレコードを樹立。非常に良好な馬場状態が維持されており、ペースが流れやすいG1なら、なおさら速い上がりが求められそうだ。

 ローズS3着のセナスタイルの末脚は見事だった。4角15番手で直線を迎え、進路を探しつつ馬群を縫って進むような形。その上で、カムニャックを0秒4上回る上がり最速3ハロン34秒0をマークしているのだから、かなりの瞬発力だ。今まで中京、阪神と直線に坂のあるコースを走ってきたが、今回は平坦の京都。

スムーズなら、決め手はさらに切れ味を増す。「この馬の武器は学習能力の高さ。3戦目が重賞でガラッと違う競馬になっても対応してくれた」と安田調教師が語るように、初のG1で大仕事をやってのけそうな期待感がある。(山本 理貴)

編集部おすすめ