第102回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=来年1月2、3日)の予選会(報知新聞社後援)は18日に東京・立川市などで行われる。午前8時30分に42校の選手(各校10~12人)がハーフマラソンを一斉スタート。

上位10人の合計タイムで争い、上位10校が本戦の出場権を獲得する。暑熱対策のため、今年から1時間5分、スタート時間が早まったが、“熱い”戦いとなることに変わりはない。

 昨年、10位で通過した順大と11位で落選した東農大の差は、わずか1秒だった。今年もシビアな戦いとなることは必至だ。大一番に臨む選手に最大限の敬意を表した上で、予選会の行方を予想する。

 トップ通過を争うのは大東大と日体大だろう。よほどのアクシデントがない限り、突破は【有力】だ。

 昨季はシード校だった大東大は2年ぶりの予選会。2、3年前は首位通過した。「トップ通過にこだわらず、確実に通過する戦い方をします」と真名子圭(きよし)監督(47)は冷静。主力の入浜輝大(きひろ・4年)、棟方一楽(かずら・3年)が予選会経験者なのは強みだ。

 継続中では大会最長の78年連続78回目の出場を目指す日体大は、エースの山崎丞(たすく)ら4年生が7人メンバー入りし、安定感は抜群。

予選会には7年連続の出場で良くも悪くも慣れている。基本戦術の「集団走」は徹底されている。

 今年5月、1万メートル8人の合計タイムで争われた全日本大学駅伝選考会を突破した中央学院大、順大、日大、東海大は通過の【圏内】にいる。ハーフマラソン10人の合計タイムで争う予選会と人数、距離は異なるが、本質は同じ。プレッシャーのかかるチーム戦で発揮された勝負強さは本物だ。

 【有力】と【圏内】の6校が順当に通過した場合、残る枠は4。神奈川大、法大、立大、山梨学院大、駿河台大、明大、東農大、専大、国士舘大の9校が【ボーダーライン】で激しく争いそうだ。

 4年ぶりに予選会に回った法大は経験者がいないことが懸念材料。明大は主力の綾一輝(3年)が登録メンバーから外れた。今季から指揮を執る大志田秀次監督(63)の手腕が注目される。前回、1秒差に泣いた東農大は万全であればケニア人留学生と同等の力を持つエース・前田和摩(3年)の走りが鍵を握る。

 前回予選会23位の芝浦工大は徳本一善監督(46)、同22位の拓大は治郎丸健一監督(41)、同17位の麗沢大は池谷寛之監督(50)が今季、それぞれ就任した。

新体制でチームが生まれ変わった3校をはじめ、亜大、筑波大、上武大、日本薬科大は【ワンチャンス】突破の可能性があるだろう。

 ここまでで22校。それ以外のチームは100%以上の力を発揮した上で、多数の上位校にアクシデントが発生した場合に【ミラクル】が起こりうる。

 昔、私も予選会に4年連続で出場し、通過も落選も経験した。険しい「箱根への道」に挑む全ての選手が自身の力を出し切ることを願っている。(竹内 達朗)

 ◆本紙予想

 【有力】

 大東大、日体大

 【圏内】

 中央学院大、順大、日大、東海大

 【ボーダーライン】

 神奈川大、法大、立大、山梨学院大、駿河台大、明大、東農大、専大、国士舘大

 【ワンチャン】

 芝浦工大、拓大、麗沢大、亜大、筑波大、上武大、日本薬科大

 【ミラクル】

 流通経大、桜美林大、慶大、武蔵野学院大、明学大、平成国際大、東京経大、立正大、関東学院大、育英大、湘南工科大、東大

 ◆第102回箱根駅伝予選会開催要項

 ▽日時、コース 18日午前8時30分、東京・立川市陸上自衛隊立川駐屯地をスタート。立川市街地を回り、国営昭和記念公園にゴールする公認コースのハーフマラソン(21.0975キロ)。世界陸連の世界ランク対象競技会でもある。

 ▽競技方法 全選手が一斉スタート。各校、10~14人の登録選手の中から10~12人が出場し、上位10人の合計タイムで争う。留学生は登録2人以内、出場1人以内。上位10校が本戦(来年1月2、3日)の出場権を獲得する。

 ▽出場資格 関東学生陸上競技連盟男子登録者で24年1月1日~25年10月5日の有効期間内に1万メートル34分以内、ハーフマラソン1時間13分以内の公認記録を有する。

 ▽関東学生連合 予選会で敗退したチームの選手で編成し、本戦にオープン参加する。

 ◆テレビ放送&ライブ配信 日本テレビで18日午前8時25分から地上波で生中継。無料配信サービス「TVer」でもライブ配信。解説は1997、98年箱根駅伝で優勝した神奈川大前監督の大後栄治・関東学生陸上競技連盟副会長(60)、山梨学院大で92、94、95年の箱根駅伝を制した上田誠仁元監督(66)。BS日テレでは18日午後7時から再放送。CS放送の日テレジータスでは26日午後7時から放送する。

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