政府は17日、2025年度の文化功労者として劇作家で演出家の野田秀樹氏ら21人を選んだ。

 野田氏は1955年、長崎県生まれ。

東京芸術劇場芸術監督、多摩美術大学名誉教授を務めている。東京大学在学中に「劇団 夢の遊眠社」を結成し、数々の名作を生み出した。92年に劇団解散後、ロンドンに留学。帰国後の93年に「NODA・MAP」を設立した。

 「キル」「赤鬼」」パンドラの鐘」「ザ・キャラクター」「エッグ」「逆鱗」など、数々の話題作を発表。モーツァルト歌劇「フィガロの結婚~庭師は見た!~」などオペラの演出、「野田版 研辰の討たれ」や「野田版 桜の森の満開の下」で歌舞伎の脚本、演出を手がけるなど、現代演劇の枠を超えた多彩な創作活動を行ってきた。

 以下、野田氏のコメント全文

 学生の時に芝居を始めて「芝居が好き」という一心で、舞台作品を作ってまいりました。気が付いたら50年経って、「芝居作り」以外なにもやっておらず、「芝居作り」以外に何の取柄もない人間になりました。この50年の間、すでに亡くなってしまった芝居仲間も含めて、たくさんの素晴らしい芝居仲間たちが周りにいてくれたので、こうして「文化功労者」になれました。芝居は決して一人では作れないものです。だから私ひとりの名前で「文化功労者」という形になっておりますが、実際は「私たち」が「文化功労者たち」としてお認めいただけたのだと受けとめております。「私たち」を代表して感謝申し上げます。

そして、悪ふざけに聞こえてはなりませんが、自分のやってきた拙い言葉遊びで、この「文化功労者」という言葉に報いるとすれば、「文化功労者=ぶんかこうろうしや」が、頑迷な「文化殺し屋=ぶんかころしや」にならないように、引き続き「芝居の道」を精進してまいる所存でございます。

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