23日にプロ野球ドラフト会議が行われる。四国アイランドリーグ(IL)plusの主な候補を紹介する連載の第2回は高知。

元チームメートで阪神のラファエル・ドリス投手(37)を師と仰ぐ、最速152キロ右腕の秋本璃空(22)、同150キロ左腕の渡辺都斗(23)らが悲願のNPB入りを目指す。(藤田 芽生)

 高知・渡辺は今季、26登板、113イニングでリーグ2位の125三振を奪った。4勝4敗で防御率は同5位の3・11。1年目ながら存在感を示した。ドラフトを前に「意識するとドキドキしてしまうので…」と、はにかんだ。

 中京大(愛知大学連盟)では不完全燃焼に終わった。「大学ではあまり投げられず、野球に本気で向き合えていなかった」。後悔から、四国ILに進むことを選んだ。高知で経験を積み、潜在能力が開花した。「平均球速が140キロ前半から後半に伸びた。変化球の質も上がった」と自信が付いた。

 男手一つで育て上げてくれた父・健二さん(50)にNPB入りした姿を見せる。

「男はキャッチボールくらいできないと」。サッカー好きの父が教えてくれた“親子の会話”が原点だ。小、中学生のころは弁当を作ってくれた。「オムライスがおいしかった」。収入が不安定な独立リーグ入りを決断した時も、黙って応援してくれた。「絶対、NPBに行きたい。一番の恩返しになる」。恥ずかしがり屋の息子が、結果で感謝の思いを伝える。

 ◆渡辺 都斗(わたなべ・みやと)2002年7月10日、愛知・弥富市生まれ。23歳。十四山(じゅうしやま)東部小3年から軟式の弥富十四山少年野球クラブでプレー。十四山中では軟式野球部に所属。

愛知・至学館では甲子園出場なし。25年に高知入団。変化球はカーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ、フォーク。176センチ、82キロ。左投左打。

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