◆米大リーグ ナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦 ドジャース5―1ブルワーズ(17日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
大谷は投打二刀流で出場すると集中力が増す。改めてそう感じた試合だった。
二刀流時は野球観が研ぎ澄まされるように見える。もう、俺らが経験している野球観じゃない。ポストシーズン、大一番になればなるほど活躍できるのが超一流の特徴。松井秀喜さんもそうだった。
投球内容は、いい時と比べたらあまりよくなかった。ブルワーズ打線が活発だったら失点していたかもしれない。左打者に苦労していた印象だ。対左では序盤、初球ボールが目立った。左(のべ13打者)への初球ストライク率は46%。右(9打者)は67%。特に変化球が抜けていた。
それでも、4回1死三塁では取りにいってスイーパーとスプリットで2者連続空振り三振。追い込むまではファウルを打たせるような配球で、追い込んでからは空振り、見逃しが取れる球。それを投げきる集中力があった。ワールドシリーズに向けて、曲がり球の精度が上がれば、さらによくなる。(野球評論家・髙橋 尚成)