将棋の藤井聡太七冠が19日、東京・渋谷区の将棋会館で行われた児童書「新スポーツスーパースター伝 藤井聡太」(ベースボール・マガジン刊)の発売記念イベントに出席した。

 藤井が将棋を始めた5歳から、史上最年少で八冠になった21歳までの”棋士人生”がまとまった一冊。

「私が将棋を始めてから今までを、丁寧にまとめていただいている。将棋のルールもまとめられているので、本を通して将棋の面白さを感じてもらえたら」と呼びかけた。

 製作にあたり、藤井だけでなく地元の愛知・瀬戸市「ふみもと子供将棋教室」、小学生時代から盤を挟む間柄の宮嶋健太四段らの取材も行われた。「将棋を始めた5歳の頃はあまり鮮明に覚えていないことが多いけど、周りの方の話を通して『当時はそうだったのか』と感じることも多くあった」と新たな発見を明かし、笑いが起こった。

 宮嶋は「最初は負けることも多かったけど、徐々に強くなったのを自分の目で見てきた。将棋が大好きで、将棋に対して真面目に取り組んで、勉強時間を欠かさずずっと努力している姿を見ていた。やっぱり負けず嫌いだな」と藤井の印象を熱く語った。藤井は「私だけじゃなくて将棋をやっている子どもは負けず嫌いが多いのかな」としながらも「負けて悔しくて泣いてしまうこともあった。勝ったり負けたり経験を通じて成長できた」と振り返った。

 参加した小・中学生31人に向け「将棋の魅力は色々あると思うけど、私自身は家族に勝つことができてうれしかったというのが(将棋を本格的に始めた)最初のきっかけだった」と振り返った藤井。「たくさん対局をして、勝ったり負けたりすることが成長につながる第一歩。将棋は自由なゲームで、色々な種類の駒があるけど、自由な発想で活用して(駒を)とってほしい」と”未来の棋士”たちにエールを送った。

子どもたちには指導対局も行い、つかの間の交流を楽しんでいた。

 女流棋士の野原未蘭女流二段、小高佐季子女流初段も出席した。

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