◆秋季東海地区高校野球大会 第2日 ▽準々決勝 聖隷クリストファー5-3津商(19日・パロマ瑞穂)

 準々決勝が行われ、静岡県1位の聖隷クリストファーは津商(三重3位)を5―3で下し、2年連続で初戦を突破した。今夏の甲子園を経験し、この日4番デビューした大島歩真二塁手(2年)が、同点打を含む2安打1打点の活躍。

今秋初めて複数失点を喫したエース高部陸(2年)を打線が援護し、初のセンバツ出場に1歩前進した。

  聖隷入学後、初めて4番で起用された大島が、結果を残した。1点を追う初回1死一、三塁、内角直球を振り抜き、左前に同点適時打。「4番として、まず打点という思いでした。打てて、よっしゃーとなりましたが、すぐに気持ちを切り替えた」と振り返った。

 さらに3回1死からは左越え二塁打を放ち、小金沢玲雄左翼手(2年)の勝ち越し打につなげた。今夏は1番で切り込み役を担っており、「塁に出ることを意識してプレーした。出塁が点につながって良かったです」と胸を張った。

 高部が初回に先制を許したものの、野手陣が9安打、4四球、盗塁も5つ成功させ、計5点で援護。「高部も完璧ではない。野手がカバーするところを、できていなかったので、良かった」と主砲はうなずいた。

 県大会は打率2割と不振にあえいだ。

今夏は甲子園2試合で3安打するなど、打率4割2分3厘と好調だっただけに「引っ張る立場になったことで、緊張感から変な気持ちで試合に入っていた。情けなかった」と葛藤を振り返る。

 それでも、上村敏正監督(68)が4番に据えた背景には、県大会4番もこの日はスタメンから外れた江成大和外野手(2年)の不振がある。加えて「大島が打つようになってきた」と説明した。

 試合2、3日前に大島はバットを構える際に固めた手首が、力みにつながっていたことに気付き、手首を柔らかく使い「インパクトだけに力を入れる」ことに集中。打撃練習で調子を取り戻していたことが、指揮官の決断を後押しした。

 25日の準決勝の相手は、強敵の三重。来年のセンバツは東海の一般出場枠が3校で、勝てば甲子園出場へ大きく前進する。新4番が、2季連続の聖地に向け攻撃の軸となる。

(伊藤 明日香)

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