◆関西学生秋季リーグ 最終節2回戦 立命大4X―3同大(20日・わかさスタジアム京都)

 立命大がサヨナラ勝ちで同大に連勝し、12季ぶり(コロナ禍中止の20年春を除く)の優勝を決めた。角井翔一朗一塁手(4年)が、新リーグでは1シーズン最多に並ぶ今季5本塁打目を放つなど2安打3打点と大暴れ。

全校から勝ち点を挙げる完全優勝で、2位の関大に並ぶ40度目(旧リーグを含む)の頂点に立った。明治神宮大会(11月14~19日)出場をかけ、関西地区大学選手権(31日~11月3日・GOSANDO南港)に臨む。

 復活Vに沸いた。延長10回1死一、二塁、サヨナラ二塁打の坂下晴翔の打球を追うように、立命大ナインがベンチを飛び出した。24年春は大学史上初の10戦全敗。当時、就任直後だった片山正之監督はこの日、胴上げされ、「2年間、『当たり前のことを誰にもできないくらい徹底しよう』と言ってきた。あとは選手の技術を生かして、それが花開いた」とかみしめた。

 指揮官の言葉を体現したのが角井だ。2回無死二塁、高めの直球を捉えた先制の中越え2ランは、先輩の下山真二氏(元オリックス)ら2選手に並ぶ今季5発目。7回には一時勝ち越しの右越え三塁打も放ち、「自分を信じて打つだけ。気持ちが乗った」と胸を張った。

 智弁和歌山の21年夏の甲子園Vメンバーだが、大学では今春までリーグ戦先発出場なし。

同期の中西聖輝(青学大)らは活躍を重ね、「情けない結果が悔しくて…。そういうところで一日一日を大事に過ごした」という。オフも練習に打ち込んで迎えた今秋、初先発の近大戦から3戦連続弾でレギュラーの座を確立した。

 卒業後は一般企業への就職を考えており、野球を続けるかは未定だ。「自分が納得する進路をいろいろな方と話して決めたい」。大きな決断を前に、まずは全国の舞台へ―。急成長を遂げた豪快なスイングで、神宮切符を勝ち取る。(瀬川 楓花)

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