◆2025 パーソル クライマックスシリーズ パ最終ステージ 第6戦 ソフトバンク2―1日本ハム(20日・みずほペイペイドーム)

 両手をポンッとたたき、日本ハム・新庄剛志監督(53)は、晴れやかな表情で会見場に現れた。「めちゃくちゃいいファイナルだったし、めちゃくちゃいいシーズンだった。

2位が日本シリーズに行くべきではない」。第3戦からの3試合で計22得点も最終決戦はモイネロを攻略出来ず3安打1得点で王者に屈した。崖っ縁となった16日の試合後に語った「4つ勝ったらドラマ」は完結できなかった。「来年はまだまだ強くなる。断トツで優勝して日本シリーズに行く」と、リベンジに燃えた。

 昨季からの成長を確実に示した。昨季の最終Sは3連敗で敗退も、今季は、2連敗から逆王手。史上初の0勝3敗(アドバンテージを含む)からの日本S進出はならずも王者を追い詰めた。「成長したでしょ。3連勝したんですから。あと一歩だった」。この日先発の達はまだ21歳。

第2戦で8回途中2失点と好投した22歳の福島ら大舞台で多くの若手が躍動した。「若いメンバーがこれだけ活躍してくれたら他のチームもうらやましい限りじゃないですか。いい経験しましたよ。今年は十分です」。悔しさは口にしなかった。

 一丸で勝利をつかみにいった。試合前のコーチミーティングでは、球団スタッフも加わり、新庄監督が無言で一人一人と握手を交わし、気持ちを一つにした。「みんなで戦ってきたので、最後は勝とうが負けようがね」と振り返った。

 球場入りの際には、関係者通路の黄色い壁を見ながら、「ここが甲子園に見えてきた」と語っていた指揮官。「(甲子園に)姿は見せたかったですけどね。(ユニホーム)半分ファイターズ、半分タイガースで。(藤川監督の)22番をつけてね」と古巣との対戦が実現できなかったことには冗談を交え悔しさを見せた。

 来季が就任5年目。「ソフトバンクがどれだけ補強してくるか。うちは今のメンバーでいきます」。王者を倒し、今度こそ10年ぶりの悲願を果たす。(川上 晴輝)

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