ア・リーグ西地区で11年連続ポストシーズン進出を逃しているエンゼルスは21日(日本時間22日)、新監督にカート・スズキ氏(42)が就任すると発表した。

 スズキ氏は現役中にエンゼルスで大谷翔平投手(31)ともバッテリーを組んだこともあった捕手。

2007年にアスレチックスでメジャーデビューして08年からはレギュラーの座をつかんだ。12年途中からはナショナルズ、アスレチックス、ツインズ、ブレーブス、ナショナルズと移籍を繰り返して、21年から2年間プレーして22年シーズン終了後に現役を引退した

 メジャー通算16年間で1635試合に出場。1421安打で打率2割5分5厘、143本塁打、730打点、20盗塁でツインズ時代の14年にはオールスターにも選出された。引退後はエンゼルスでミナシアンGMの特別補佐を務めていた。エンゼルスは通算703本塁打のレジェンドスラッガー、プホルス氏の招聘(しょうへい)にも動いていたとされるが、低迷するチームの再建をスズキ新監督に託すことになった。

 スズキ氏はハワイ・マウイ島ワイルク生まれで、日系3世。祖父と祖母が日本人で「キヨシ」のミドルネームを持つが、高校までハワイで過ごし、日本語はほとんど話すことができない。高校選抜の一員として日本の高校オールスターと試合した2001年に初来日し、アスレチックスに所属した08年3月のマリナーズとの東京ドームでの開幕シリーズにも出場していた。

 昨季からエンゼルスの指揮を執っていた73歳のワシントン監督は今年6月から体調面の問題で療養して現場から離れ、そのままシーズン終了後には退任することが発表されていた。

 エンゼルスは2000~18年までソーシア監督が長期政権を務めたが、その後は毎年のように監督が代わっている。大谷のエ軍2年目だった19年のオースマス監督は1年限り。20年からはカブスをワールドシリーズ制覇に導いた経験のあるマドン監督が就任したが、22年途中に解任となった。

23年は22年途中から監督代行として指揮を執った現西武内野手の父でもあるネビン氏が監督に就任したが、大谷の抜けた24年からはワシントン監督が就任。15年から11年連続でポストシーズン進出を逃し、16年から10年連続で勝率5割以下と苦しんでいる。

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