プロ野球ドラフト会議が23日に行われる。昨年、阪神から育成枠で指名を受けた早川太貴に続き、今年もくふうハヤテから注目選手が現れた。

最速158キロのストレートを武器にする本格派右腕、宮路悠良投手(26)だ。今季、中継ぎとしてリーグ戦24試合に登板。コンディション不良による出遅れもあったものの、昨季から球速が4キロアップし、0勝2敗4セーブ、防御率は2・88の成績を残した。

 宮路は東海大から社会人野球ミキハウスに進み、その後、四国IL徳島、そして今季はくふうハヤテでプレーをしている。社会人野球という安定した道から挑戦の道に切り替えた背景には、ミキハウス時代のチームメートであり、2023年のドラフトで阪神に2位で指名された椎葉剛投手(23)の存在がある。椎葉は23年に、宮路より先に徳島へ入団し、最速159キロを記録。同年のドラフトでの指名を勝ち取った。速球を見て「本当にすごくなっていた。(ミキハウス時代)元々質は良かったが、そこまで速くはなかった」と振り返る。以前から椎葉を通じて、徳島の環境の良さやチームの評判を耳にしており、「自分も新しい刺激が欲しい」との考えに至り、24年に入団を決断した。大学時代に150キロを記録していたが、徳島ではそこからさらに球速を4キロ伸ばすことに成功した。

 速球派として注目されるが、社会人時代は変化球主体だった。

「当時は配球を組み立てることが好きだった」。だが、徳島では守護神としての地位を確立する中で、「短いイニングの中で、どれだけ直球で魅力を感じさせるかを考えるようになった」と意識の変化を語る。158キロまで球速が伸びた理由は、「昨年から徳島のトレーナーの下で本格的に始めたウェートトレーニングの成果」と説明する。

 くふうハヤテに入団した理由については、24年のフェニックスリーグで150キロを超えるNPB球団投手と対戦する中で、「上で戦いたい」と感じたからだ。実際に1シーズンを通し、「直球は通用すると感じたが、変化球の改良が必要だと実感した。昨年はチェンジアップのような球を投げていたが、より鋭さを出すためにフォークに切り替えたりした」と、手応えも口にしていた。

 10月のフェニックス・リーグ参加前に「ここまで来たらガラッと評価が変わるわけではないので、楽しんで投げて、待ちたいですね」と穏やかな表情を見せていた右腕。運命の日を静かに待っている。(伊藤 明日香)

 ◆宮路 悠良(みやじ・ゆら)1999年8月2日、東京都生まれ。26歳。東海大高輪台から東海大に進み、ミキハウスに入社。24年に四国IL徳島に入団し、25年はくふうハヤテでプレーした。

186センチ。90キロ。右投左打。

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