巨人は22日、GタウンとG球場の室内練習場で今月29日から行う若手主体の秋季キャンプで球団OBの李承ヨプ(イ・スンヨプ)氏(49)=前韓国・斗山ベアーズ監督=が臨時コーチを務めると発表した。期間はキャンプ初日から最終日の11月13日まで。

日韓通算626本塁打(韓国467、日本159)で「アジアの大砲」と呼ばれたレジェンドが、巨人の打力アップへ力を注ぐ。

 韓国ではサムスン時代の03年に当時のアジア新となる56本塁打。日本では04年から8年間、巨人では06~10年にプレーした。06年には開幕戦から巨人第70代4番を務め、打率3割2分3厘、41本塁打、108打点。07年には阿部慎之助高橋由伸小笠原道大との30発カルテットを形成し、現役時代の阿部監督とともに重量打線を担った。

 阿部監督から「スンちゃん」と呼ばれるなど、現役時から良好な関係を築いてきた。指揮官は一塁にコンバートとなった15年に李承ヨプ氏を理想の一塁手にも挙げ、「ショートバウンドを捕る技術は世界一だと思っているし、投げる方も安心して送球できる。打てば(4番で)30発は軽く打ってたしね。打って守れるようにしたい」と話していた。

 今季の巨人は貯金1で3位。チーム打率2割5分はリーグトップだったが、要所での決定打不足など課題も残った。底上げを目指し、長時間、質も考えながら量をこなすことが予告されている秋季キャンプ。

李承ヨプ氏には技術だけでなく、好機での心構えなど、精神面の指導も期待される。

 秋季キャンプに向け、阿部監督は「乞うご期待」とコメント。V奪回へ厳しい練習が予想される中、李承ヨプ氏の存在はレベルアップを目指すG戦士の大きな助けとなりそうだ。

 ◆李 承ヨプ(イ・スンヨプ)1976年8月18日、韓国・大邱生まれ。49歳。95年に慶北高から強打の一塁手としてサムスンに入団。韓国では本塁打王5度、打点王4度、最多安打1度、MVPは5度受賞。2004、05年はロッテ、06~10年に巨人、11年はオリックスに在籍。12~17年はサムスンでプレーし、現役引退。日本では8年間で797試合に出場し打率2割5分7厘、159本塁打、439打点。23年から今季途中まで韓国・斗山で監督を務めた。左投左打。

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