◆2025年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(23日)

 今ドラフト最大の目玉だった創価大・立石正広内野手(21)は1位で3球団が競合した。阪神・藤川監督が、広島、日本ハムとの抽選の末に引き当てると、思わず笑みが浮かんだ。

東京・八王子市内の同校キャンパスにはテレビカメラ18台と報道陣54社が集結。無数のフラッシュの中で“就職先”が決まり「やっとプロの世界に入ったなと実感が湧きました」と喜びをかみ締めた。

 身近にいたアスリートの“先輩”からの金言を胸に、アマNO1スラッガーまで成長を遂げた。元バレーボール選手の母・郁代さん(旧姓・苗村、56)は92年バルセロナ五輪日本代表。「お母さんからはいつもLINEを含め電話で『上には上がいるし、そういう時は練習するしかない』ってずっと口癖のように言われてきたので、そのおかげで一瞬も満足した瞬間はなかった」。3年時から選出された大学日本代表では、自分よりも実力のある選手たちと接したことで天狗(てんぐ)にならずに努力を積み重ねてこられた。

 そんな親であり恩人でもある郁代さんも立った舞台に上がることを、大きな野望に掲げた。1年目から活躍できれば、野球が追加競技として復活する28年ロス五輪の日本代表入りも視野に入る。「お母さんと同じ土俵に上がるというか、そこも目指しながらやっていければ」と、親子2代でのオリンピアン誕生を思い描いた。ドジャース・大谷との共闘の可能性もあるだけに夢は膨らむ。

 打ってはリーグ戦通算15本塁打。走っては50メートル6秒0の俊足、二塁、遊撃、三塁をこなす。

走攻守と甘いマスクの4拍子がそろった金の卵は「トリプルスリーとか全部の技術を欠けることなくレベルアップしたいと思っている。そうなったら最高ですし、まずは打撃面でタイトル争いに将来は絡んでいけるような選手になれればうれしい」と力を込めた。(長井 毅)

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