ソフトバンクがドラフト1位で米スタンフォード大・佐々木麟太郎内野手(20)をサプライズ指名した。DeNAとの競合となったが、城島健司チーフ・ベースボールオフィサー(CBO、49)が残り福で交渉権獲得のくじを引き当てた。

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 麟太郎サイドが、ソフトバンクの話を聞く用意はあると見る。関係者によると、花巻東時代から視察を続けた球団の熱意に対し、父で同校の洋監督(50)を含めて感謝しているという。義理堅い親子の性格。また、過去にテレビ番組でソフトバンクグループ創業者の孫正義氏への憧れを語っていたことを考えても、最初から扉を閉ざすことはないのではないか。

 学業と野球の両立を目指し名門・スタンフォード大に進学した麟太郎は、かねての予定通り2シーズン目も全うする構えだ。入団交渉や契約が可能になるのは早くとも来年5月のリーグ戦後。全米大学最強を決めるカレッジワールドシリーズは同年6月に開催される。プレーオフにあたる大会で勝ち進めば、交渉開始が6月以降になる可能性もある。

 海外留学中の選手との交渉期限は来年7月末まで。同月中旬にはMLBドラフトが控えており、来年4月に21歳を迎える麟太郎が指名されるケースも考えられる。結論は不透明な状況だ。

 洋氏に近く、麟太郎の個人サポートも行う木下博之氏(49)はドラフト前に「麟太郎の答えは、来季のスタンフォード大でのパフォーマンス次第で見えてくる」と語った。

日本か、メジャーか。全ては来年、米国でどんな結果を残せるかにかかっている。(アマ野球担当デスク・高橋 宏磁)

 〇…佐々木の取材対応はなかったが、個人サポートする木下氏が代表を務めるナイスガイ・パートナーズは23日、「佐々木麟太郎選手に関しまして」という題名で報道陣にリリース。2球団から1位指名を受け、ソフトバンクが交渉権を獲得したことに「選手自身も心から光栄に思うと共に、本当に高いご評価を賜りましたこと、実に大きな励みになっております。まず皆様方に御礼申し上げます」と感謝を代弁した。また同時に「今すぐに何かが決まったり、動いたりすることは一切ございません」とし、麟太郎が当面の間、学業と部活動に集中するため、取材に応じる予定はないとした。

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