◆秋季関東地区高校野球大会▽決勝 山梨学院14―5花咲徳栄(26日・山日YBS)

 山梨学院(山梨1位)が花咲徳栄(埼玉1位)に大勝し、3年ぶり3度目の優勝を決めた。“二刀流”の菰田陽生主将(2年)は「3番・一塁」で出場し、5安打3打点と大暴れ。

最近60年間の秋季関東大会決勝での5安打は、20年の健大高崎・桜井歩夢以来2人目。9回からは投手としてマウンドに上がり2失点も試合を締めた。山梨学院は11月14日開幕の明治神宮大会に出場する。

 もう止まらない。8―3の7回1死満塁。菰田が振り抜いた打球が左中間へ伸びた。走者一掃の適時二塁打となり、5安打3打点だ。初回の中前安打から左二塁打、左安、左安と5打席連続安打。「映像で相手投手の特徴をつかんだ。きょうは打てるなという感じでした」と研究も生きた。

 11点リードの9回には3番手でマウンドへ。2失点したものの、最速143キロ直球を軸に締め、「優勝できたのはひとつのいい経験でもあり、ひとつの成長」と胸を張った。

 新チームから主将を任され、約2か月。最初は声の掛け方すらままならなかった。「(前主将の)梅村さんに聞いたり、頼ってばかりでした」。春夏甲子園出場を成し遂げた前主将から「日常生活や練習、試合は一番しっかりしないと。キャプテンが崩れたらチームが良くない方向へ行くぞ」と言われ、背筋が伸びた。

 5回のピンチでは一塁からマウンドへ駆け寄り声を掛ける場面もあり、スタンドで見届けた梅村は「主将としての自覚が見える」と目を細めた。次の舞台は神宮。「しっかり準備して、いい形で臨めるように」。先輩の教えを胸に全国の舞台で“二刀流”がさらに飛躍する。(北村 優衣)

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