8代目尾上菊五郎、6代目尾上菊之助が27日、大阪市内で京都・南座で上演される「當る午歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎 尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎襲名披露 尾上丑之助改め六代目尾上菊之助襲名披露」(12月1日~25日)の取材会に出席した。

 今回、昼の部は菊之助の襲名披露狂言となる「玉兎」と、菊五郎の襲名披露狂言「鷺娘」、夜の部は菊之助による「寿曽我対面」、襲名披露の「口上」に続き、菊五郎の「弁天娘女男白浪」が並び、昼夜にわたり歌舞伎の醍醐味を満喫できる狂言立てとなっている。

菊五郎は「南座の『吉例顔見世興行』への出演は16年ぶりでございます。歌舞伎に興味が集まっている今、これまで歌舞伎を支えてくださった方々、歌舞伎に新しく興味を持ってくださった方々への感謝の気持ちを込めて精一杯勤めさせていただきます」とあいさつした。

 菊五郎は「『鷺娘』は6代目菊五郎が繰り返し演じてきた演目であり、まさに今、注目度の高まっている作品でもあります。古典歌舞伎の精神を今のお客様と共有できればこんなに幸せなことはないなという思いで踊らせていただきます」と意欲。また「弁天娘女男白浪」は、音羽屋にとって非常に大切な演目と話し「初代菊五郎が生誕した土地でぜひ勤めたいと思い、選びました。南座で演じるのは菊之助襲名での顔見世以来、約30年ぶりです。これまで修業してきた成果をお見せできるように精一杯勤めます」と述べた。

 菊之助は「(今年5月から)襲名披露公演を重ねてきて、体力がついてきました。以前は緊張でいっぱいでしたが、最近は緊張感よりも、どうお芝居をしてお客さまを楽しませることができるか、ということを考えて勤めています」と頼もしい。「玉兎」ではかわいらしさ、楽しさを感じてもらえるように踊りたいと話し、「寿曽我対面」では「先輩方に囲まれて緊張する場面もあるかもしれませんが、お腹から声を出して、響くように、かっこよくセリフを言いたいです」と意気込んだ。

 菊之助は南座には初めての出演。「わくわくする気持ちと不安とがありますが、先祖ゆかりの土地で襲名を披露させていただくことは大変うれしいです。

公演まで日々努力してまいります」と誓った。

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