例年11月の第1週の日曜日に開催されている全日本大学駅伝(名古屋市~三重・伊勢市=8区間106・8キロ)が来年以降、1週間繰り下がり、11月第2週の日曜日に開催される案が浮上していることが27日、分かった。三重県高校駅伝の日程による影響が主な理由だが、関東の大学勢にとっては、例年10月中旬から下旬に開催されている箱根駅伝予選会との間隔が空くため、好都合となる。

ただ、例年11月第3週の土曜日に開催されている関西学生駅伝などとの日程調整が必要で、協議が重ねられている。

 「学生3大駅伝第2戦」として伊勢路を舞台に行われる全日本大学駅伝の日程変更案は、大会運営協力に欠かせない三重県陸上界の要望に端を発した。

 これまで全国高校駅伝の予選を兼ねた三重県高校駅伝は、11月第2日曜日に行われていた(男女優勝校が全国大会出場権を獲得)。その後、11月第4日曜日に東海地域(静岡、愛知、岐阜、三重)の各県上位6校が出場できる東海高校駅伝が開催されている。昨年から各地域の駅伝で、都府県大会を優勝して全国大会の出場権を持つ学校を除いた最上位校にも全国大会の出場権が与えられるようになったため、各地域の駅伝の重要性が大幅に増した。

 東海地区では三重県を除いた3県の高校駅伝は11月第1週開催で、東海高校駅伝まで3週間の間隔があるが、三重県だけ2週間。その日程的ハンデを解消するため、今年の三重県高校駅伝は11月第1土曜日の1日に開催され、全日本大学駅伝は2日開催。だが、2日連続の駅伝開催は沿道などで運営協力する三重県陸上界には負担が大きく、来年以降は全日本の1週間、繰り下げが議論されている。

 今年の日程を例にすると、箱根駅伝予選会(21・0975キロ)と全日本とはわずか2週間の間隔。全日本が1週繰り下がれば関東勢にとっては好都合だが一方、11月第3土曜日に関西大学駅伝を開催している関西勢など不都合な日程となるケースも多く、関係者が協議中だ。全日本が1週繰り下がった場合、10月の最終日曜日に仙台市で開催中の全日本大学女子駅伝も1週繰り下がり、11月の第1日曜日に変更されることも併せて検討されている。

 ◆全日本大学駅伝とは 大学駅伝日本一を決める大会で、出雲駅伝、箱根駅伝とともに「学生3大駅伝」と呼ばれる。

1970年に第1回大会が行われ、日体大が初代王者。名古屋市の熱田神宮~三重・伊勢市の伊勢神宮内宮8区間、106.8キロで争う。前回大会の上位8チームのシード校、全国8地区の選考会を勝ち抜いた17チーム、オープン参加の日本学連選抜、東海学連選抜の計27チームが出場する。

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