◆第30回ファンタジーS・G3(11月1日、京都競馬場・芝1400メートル)追い切り=10月29日、栗東トレセン

 素軽い身のこなしが万全の仕上がりを告げていた。第30回ファンタジーS・G3(11月1日、京都)に出走するブラックチャリスは栗東・CWコースで中グリプトグラフィ(3歳1勝クラス)、外ドゥラエテルノ(3歳1勝クラス)を最内から大きく追走。

浜中は人馬の呼吸を重視するように、ほとんど手綱を動かさなかったが、躍動感あふれるフットワークで加速する。最後にグリプトの半馬身前に出て、ドゥラには5馬身先着した。

 時計は4ハロン51秒4―11秒5と平凡。しかし、浜中は「良かった。先週もやっているので、今週はサラッと。予定通りでした」と満足そうに振り返る。何より本来の走りを取り戻したことが頼もしい。前走の函館2歳Sは2着も、中間にソエ(骨膜炎)が出ていた。「脚がチクチクして、モタれてもいた。もう大丈夫です」とうなずく。

 浜中とコンビを組み、6~7ハロンで2勝を挙げたゴールドチャリスの初子だ。「1400メートルまでならと思います。

夏より体高が伸びて、そのぶん体重が少し増えました。完成度は高いと思うので、そこを生かせれば」。母子2代に接したからこそ分かる非凡なスピード。初タイトルへ向け、一気に突き進む。(山本 武志)

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