元世界4階級制覇王者の井岡一翔(36)=志成=が29日、東京・後楽園ホールで所属ジム主催興行のリングに登場し、バンタム級に転級して日本人男子初の5階級制覇を目指すことを表明。「ボクシング人生の最後の大きな挑戦になると思う。

挑戦するからには5階級制覇した姿をお見せしたい」と話した。12月31日の所属ジム主催興行で再起し、バンタム級転向初戦(対戦相手など詳細は未定)に臨む。すでにバンタム級でWBA9位、WBC5位、IBF11位にランクイン(WBOはスーパーフライ級10位)している。

 バンタム級は、4団体王座を統一した井上尚弥(32)=大橋=が2023年1月に4本のベルトを返上。その後は群雄割拠となり、今年9月に武居由樹(29)=大橋=がWBO王座から陥落するまで日本人王者が4団体の王座に君臨していた。

 井岡は「井上尚弥選手が4団体を統一して返上したことによってチャンスが生まれて、日本人選手が多くバンタム級でタイトルを獲った。元々、バンタム級は軽量級でも選手層が厚い。今、日本人で盛り上がっている階級なので、そういうところも自分が階級を上げることによって、より盛り上がれば面白いんじゃないかなとは思います」と話し、日本人対決についても「僕はもう挑戦する立場なんで、挑戦できるチャンスがあれば挑戦したいと思ってます」と意欲を示した。

 また、井岡がスーパーフライ級王者時代にも対戦を切望していた元2階級制覇王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)も、現在バンタム級でWBO2位、WBC3位に名を連ねている。「そこまでは意識していないが、それがタイトル絡めてできたりしたら僕も面白いなと思いますし。チャンピオンと戦うにしても、誰と戦っても、結構いろんな選手がいるので面白いかなとは思います」と話した。

 井岡は今年5月、東京・大田区総合体育館でWBA世界スーパーフライ級王者フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)と約10か月ぶりに再戦。

10回にダウンを奪ったが、0―3の判定で敗れ王座返り咲きを逃した。

 バンタム級は、WBC、IBF世界バンタム級統一王者だった中谷潤人(M・T)がスーパーバンタム級転級のため、両王座を返上。11月24日にトヨタアリーナ東京で行われるWBC同級王座決定戦で、同級1位の那須川天心(帝拳)と同級2位の井上拓真(大橋)が王座を争う。

 WBAは、正規王者がアントニオ・バルガス(米国)、暫定王者が世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)、休養王者が堤聖也(角海老宝石)。WBOは、9月14日にクリスチャン・メディナ(メキシコ)が武居由樹(大橋)を下して王座を獲得した。

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